l wish to be your only one …エピ４

ヒカル…１４ ページ16

ライオンのヌイグルミをよじ登り、お気に入りを取ろうと頑張ってるヒカル…

「なあ、アレってさ、自分で取らせた方がいいよな？」

太輔が聞いてくる

コイツ、取ってやりたいんだろうなって言うのがわかる、まあ、太輔ってけっこう、いや、かなりの過保護体質、それはオレに対しても言えてるけど…

「だな、男なら欲しいものは自分で手に入れねぇと！」
「そか…そだな、ヒカル頑張れ！」

ちょっと離れたトコから、ヒカルを見守るオレ達…やがてヒカルは小さな足を踏ん張って、思いっきり手を伸ばし、欲しい玩具を手にした


「「うお、取れたっ！」」

オレ達外野のミョーな興奮に気付いたのか、ヒカルはコッチを振り返ると、持ってた玩具をブンブン振ってフニャって笑った

「ヒカルすげぇじゃん！」
「頑張ったなぁヒカル！」

傍に行って、太輔が頭にナデナデしながら抱っこすると、ヒカルは声を出して笑った


「そうかそうか、ヒカルは車が好きなんだぁ、だったらまた一緒にドライブしような」

ヒカルに頬擦りしながら、可愛い小さな手が握ってるミニカーごと、太輔の大きな手が愛しむように包みこんでる…

「な、ひろ！」

嬉しそうにオレを見る太輔、つられたようにヒカルもオレをキョトンて見てくる


ホントに親子みたいだ…


二人の醸し出す雰囲気に、チクリと胸が痛む…


「…そうだな、天気良かったら行こうな、あ、オレ、サッカー教えてやるよ」
「あっはっは、ひろ、ヒカルまだ歩けねぇよ」
「そか、ならボールはトモダチ！からだ、な、ヒカル？」

抱っこ出来るかと思って、両手を差し出したけど、ヒカルは「行かない」って風に太輔にカラダを擦り寄せて、オレから顔を叛けてしまった…

「ん、ヒカルどした？」

太輔はヒカルの顔を覗き込み、ソレからオレの顔をフンワリ笑って見つめてきた


「…オレ、嫌われてンのかな…空港ですげぇ怒鳴っちまったし…」

さっきのコト思い出して、オレは思いっきり自己嫌悪…なんで、あんなことしたんだろ…いくら夢で太輔に言われたからってなぁ…アレじゃヒカルがオレのコト恐がんのもムリねぇか…

「まさか違うよ、ヒカルがオマエのコト嫌うワケないって！」

「…なんでそんなコト言えるんだよ」


あからさまにヒカルに拒否られて、ちょっと凹み＆イジケてるオレ…

太輔は、ヒカルを抱っしたままオレの頬に手を添えると、慰める様にオデコにキスしてくれた



「ヒカルの名前は、オマエから貰ってつけたんだから！」

ヒカル…１５→←ヒカル…１３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す