オレだけの Candy Baby …３

Bitter candy … 伊織＆ユキト ページ6

「……オマエの気持ち、わかるよ…、理不尽なコトに傷付いてるのも…でも、立ち止まったらそのままだろ…なんも変わんねーんだよ…」

頬に手が添えられ、ユキトのフワッとした笑顔がオレのトゲだらけの心を丸くしてくれる…

「…伊織は、そのままでいろよ、…ソレでいいから…オレたちが生きてる世界は、見たくないもの聞きたくないもの…たくさんある…でも、その中にも…キレイな光が指す場所は必ずあるから……絶対見つけような…」


「…一緒に…？」

「…うん、一緒に…だって約束しただろ」

フフっと笑うユキ…
その笑顔が堪らなく可愛くて…何年も隠してきた想いが…その瞬間堰を切ったように溢れてきた…

「…ユキ…傍にいてくれ…光の指す場所必ず見つけて…オレと一緒にずっと…」





…目が覚めると、腕の中にある暖かいカタマリ…

信じられなくて…そのキレイな寝顔を見ていると、睫毛が震え、大きな瞳がフンワリと開いた…

「おはよ…」

ちゅ、て鼻にキスするとカラダを擦り寄せて甘えてくる…可愛い…

「伊織…二日酔いじゃねーの？」
「…んー、大丈夫っぽい…仕事行ってくるわ」
「そか…ん、なら朝メシ作ってやる」

大胆に起きて…全裸のカラダを惜しげもなく晒してくる…キレイなムダのないカラダ…

コッチの方が目のやり場に困る…



シャツを羽織り、キッチンで手際よく作る朝メシは、けっこう美味かった…


「…オレ決めたわ」
「何を？」

「…実力だけで勝負できる場所、作る…プロダクションとか肩書きとか、そんなんじゃなくて、純粋にその人の持ってる力で勝負できるトコ…オレが作って見せる…その為なら、なんだってする…」


「…うん、伊織ならできるさ…オレがついてる…心配すんな！」


「目玉焼きくわえて言われてもなぁ…」
「プッ…そりゃ悪かったな」

「…傍にいてくれ…ずっとコレからも、何があってもオレから離れないでくれ…ユキがいてくれたら…オレは負けねーよ…」




嬉しそうに笑うユキ…



この一年後…オレたちの別れは突然やって来た…



二度と会えない…




永遠の別れだった……

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