オレだけの Candy Baby …３

Bitter candy … 伊織＆ユキト ページ4

「チーフに掛け合って変えてもらいます！最後まで候補に残ってたもう一人の女優さん、あの人が誰よりもあの役に相応しい」

「あー、あのよくわかんない弱小劇団の？ムリムリ…カオもフツーだし、話題性ねーだろ…止めとけって…ヘタしたらオマエが外されんぞ」

「いい作品になれば、結果は後からついてきます！逆に失敗すれば、評価は下がる一方ですよ！」

「…ハァ、…ならやってみれば？…オレは反対したからな！チーフにオレの名前絶対出すなよ！オマエの一存で行けよ！いいな！」

「わかってますよ、そんな卑怯なコトしませんよ！」

チーフプロデューサーの部屋に行くと、ノックしても出なくて…とりあえずドアを開けると…

部屋のソファで、コトの真っ最中のチーフがいた…

「きゃああっ！」

男の股間に顔を埋め…振り返った顔は、案の定アノ主役の女優だった……

「なんだ伊織、ナニか用か？……お前はもう帰っていいよ…」

特に動じる風もなく、女優を下がらせズボンとベルトを直している…ヘドが出そうなその情交…

「何の用だ…お楽しみを邪魔しやがって…理由によっては叩き出すぞ」

「…アノ女優を抜擢したのは、この為ですか？」
「…ああ、お前はもう一人の方を推してたよな…話題性は充分だろう…新進気鋭の美人女優…初のドキュメント映画…映画への布石…なにか問題あるか？」

しれっと答えてくるチーフ…

「…失敗は目に見えてます…彼女ではあの役はこなせない…主人公の悲しみも怒りも…苦しみも、あの人では絶対に表せない！…考え直して頂けませんか」

「ふん、…もう一人の女なら成功すると言うわけか…」
「そうです、彼女は劇団で経験を積んでいます、私は彼女の舞台を何度も見ています、まるで役そのものがリアルに息をしているような、凄まじさを感じます…彼女なら必ず映画への大きな布石になります！」


「…寝てみてからだな…」
「…は？」
「今日の夜、ホテルに来させろ…ソレから決める…顔は、まあオレの好みだからな…どっちでもオレはいいよ」

厭らしくその口許が上がる…

オレの全身の血が逆流するのがわかった

「アンタ、本気でそんなコト言ってんのか？」
「アンタ？伊織、オマエ誰に向かって口きいてるッ！」

「ふざけんなっ！コレは仕事だ、作った作品に込めた想いを見てる人に伝えるために、オレたち現場は、…命懸けて作ってんじゃないのかっ？」



「…お前はバカか？テレビはな…視聴率しか見てねーよ…結果だよ」

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