オレだけの Candy Baby …３

love sweet candy … １０４ ページ14

「や、…なんかハズかしいな…感動とか…」

太輔もオレも、褒められ慣れてない…てか基本オレらグループ全員、褒められることが得意じゃない、もちろんホントに嬉しいんだけど、なんて返したらいいのか、…言葉を探すけど…見つかんなくて、二人で顔見合わせてしまう…


そんなオレたちを見て、キスギさんは目を細めてニコニコ笑ってる

「ハハ、５年経っても初々しいね、君達の記念の番組になってれば何よりだよ」

「こちらこそです、デビューしてまだそこまで実績作ってないのに、あんな特集までしていただいて、感謝の気持ちしかないです！ありがとうございます！」

「テーマソングの《証》への問い合わせもスゴいよ！、君たちとは二世代くらい上の年代からも、歌ってるのは誰ですかって問い合わせが来てる、今日の生出演はサプライズだから、また反響が大きそうで楽しみだよ、…伊織さんは、初めからわかってたんだろうな、こうなるコト……流石だよ…」


「…伊織さんには、オレたち感謝しかありません、あ、キスギさん、あの…」

オレが言いかけると、キスギさんはわかってるって風に片目を瞑ってみせた

「おけおけ、大丈夫！ちゃーんと仕込んでる、安心してて！」

「急に頼んでしまって…ご無理お願いして申し訳ないです」

「全然、…《旅立つあなたに…》のテーマにホントにアレは相応しいよ、…今日の最終回、きっと見てる人の、心と記憶に残る番組になるよ、…二人の曲で、最高のラストを飾ってくれ、頼むよ！」

オレたちの手を、ギュッと力強く握って、キスギさんは大きく頷いた



その言葉だけで、オレは…アツイものが胸に込み上げてきた…


「…必ず…必ずお約束します…オレたちに…こんな幸せな機会を与えて下さって、本当にありがとうございます！」

胸がいっぱいで、何も言えないオレの代わりに、太輔が部屋にいたスタッフさん全員に向けて、頭を下げた…オレも隣でソレに倣う…


「よっ、ガンバレ藤北！」
「もお最高！って見てる人達に言わせてやりましょう！」
「伊織さんと旨い酒飲もうぜ！」

スタッフさんから次々エールが送られて、オレも太輔も、背筋がピンとなる思いだった…




ひた向きに仕事をしていれば、必ず結果は付いてくる…

そして、ソコからまた一歩…光の果てに近づける……






……伊織さん…





貴方のコトを…何よりも、誰よりも愛した人が…



旅立つ前に残した、溢れる想いの《証》を……








…どうか、受け取ってください……

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