You are my everything ー キミ色の日々

COLOR ４２ ページ45

「おーい、ヒロ、準備できてるか？」
「うん、おはよっ！今日めっちゃ楽しみだった！」
「そか、いい天気だしな、ツーリングにはもってこいだ！」
「ほんとだ、空気が暖かい…」

手を繋いで玄関から出ると、ヒロは嬉しそうに朝の柔らかな日差しを顔に受けた…

玄関先に停めてあるバイク…メットを被せて、身体を支えるように手を添えて、後ろに乗せてやる…

「ありがと！」
「ん」

嬉しそうな笑顔が可愛くて､オレは少しだけその身体を抱き締めた…
「どしたの？」
「いや、今日は近くにいるなと思って」
「うん、太輔の香り…近くにあって嬉しい」

言ったはいいが、なんかものすごく恥ずかしくなって、オレはすぐバイクに跨がり、ヒロの手を腰に回させた

「しっかり捕まっとけよ！」
「大丈夫！今日、どこ行くの？」
「つくまでナイショ！」


出逢って初めての、二人だけの《でぇと♥》

背中に感じるヒロの存在が、オレのテンションをMAXにしてくれていた





「……潮の香り…ね、ココって海？」
「ピンポーン！」
「わ、海、久しぶり！めっちゃ嬉しい！」


さっきから背中ではしゃぎまくるヒロ、まだ走ってる途中だから危なっかしくて…

「もうすぐ着くから、おとなしくしとけって！落ちるぞ！」
「えー、だって早く行きたいー！」
「あーもぉわかったって…ちょっと飛ばすぞ！…捕まれよ！」
「うん！」

ぐっと近くなるオレとヒロの距離…

オレたちを包む景色が流れていく…


ヒロには見えてないコトはわかっていたけど…心地いい風の流れだけでも、感じさせてやりたかった…

風に色があるとしたら…この風は何色なんだろう…

ヒロ…オマエといると、オレは見るもの全てにキレイな色を感じるよ…




「よーし、着いた！」

バイクを停めて、メットを外し、ヒロを下ろす…

足元気を付けて、ちょっとだけ抱き下ろすようにしてやると、多分無意識だと思うけど、オレの首に手を回すようにして、抱きついてきた…

思わず両腕に力が入る…


ヒロの香り…、少しだけ汗の香りが混じり…オレの気持ちを昂らせる…

「…太輔…？」
「ゴメン…少しだけ…このままでいていい？」
「…ん…」


「…なんかこうしてると…すげー落ち着く…」
「ｸｽ…そう、オレでも太輔の役に立てるコトあるんだ」
「でも、じゃねーな……だから、かな…」
「ハハ、太輔もラブソング作れんじゃん！」


腕の中のヒロが楽しそうにそう言って、ちゅ…ってオレの頬に可愛いキスをくれた…

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