You are my everything ー キミ色の日々

COLOR １３ ページ15

玉森は黙ってオレの話を聞いていたけど、 なんだか…複雑な顔をしていた…

「…路上ライブ…来てみれば…？」
「うん、ヒロから聞いた」
「ギターは…ミツにとって唯一の家族みたいなもんなんだ、親父さんとの思い出…」
「…らしいな…」
「…？、…ｸｽ…ミツ…もうそんなコトまでアンタに話してんだ…すげぇな…こんな短期間に……」

小さくため息をついて、玉森はオレを見た…

「名前、…なんだっけ？」
「あ、藤ヶ谷……藤ヶ谷太輔…」
「藤ヶ谷な…太輔でいい？…オレは…」
「知ってるよ…タマでいい？」

(ウチのタマ…知りませんか、だな…ﾌﾌ…)

「いいよ…あ、ネコみたいに呼ぶなよ」

げっ、読まれてる…
心の声が顔に出てたみたいで…玉にかるーく睨まれた…

「オレ、今日泊まってくから…じゃな」
「おう、オレも帰るわ…」

何となく、久しぶりにいい気分でオレはバイクに跨がった……モノトーンよりももっと濁った色を感じていた日々に、ワントーン白いキレイな色が混ざったような気がした…


「玉、…太輔帰ったの？」

部屋に戻ると、気配に気付いたミツが弾いていたギターを傍らに置いた…
「うん…、今日はオレが泊まってくな」
「ありがとう…ゴメンな、いつも」
「なーに言ってんの、オレら幼馴染みだろ…」
「うん…あ、ねえ今日初めて新しい友達できた」

嬉しそうにそう話してくるミツ…太輔のコトだよな…

「送ってきたアイツ？」
「そうそう、バイク初めて乗ったけど、めっちゃ楽しかった…風と一緒に走るっていうの、初めてだからさ、スゴい気持ちよかった…それでさ…」

その時間を思い出してる表情……、ご両親が亡くなってから、こんな明るい顔したミツ見るの…久しぶりかもな………アイツが、こんなカオさせてんのか……

「そか、…ホラ、もう遅いからお風呂入って寝な…さっきセットしたから、もう入れるよ」

何となく…それ以上太輔の話を聞きたくなくて、遮るようにオレは話を変えた…

「うん、ね、玉、一緒に入ろ！」
「あ、うん…」
「やったぁ、玉とお風呂入るの久しぶりだな！」

嬉しそうにバスルームに向かうミツ…このウチの中はミツの使いやすいようにご両親が設計の際に、細かく配慮がなされていた…白い杖もいらない…このウチの中にいるミツは、ホントに極フツーに生活してて…見えてないことを感じさせるものは何もない…


ずっとこのウチの中だけで…オレと一緒に…





…そんなコト、


…ムリなのはわかってるけど…

COLOR １４→←COLOR １２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す