ボーイフレンド(借)ーレン・フレ ４

１４７話 ページ2

ラブ・アゲ戻る前に自宅に寄った…



確かゆきは…渉とデート…だったよな…

ゆきの取説…たぶん渉にしかわかんない取扱いも増えたんだろう…ついこの前まで、オレにベッタリだったゆきからは、他人を寄せ付けないシールドのような雰囲気が、大分抜けてきていた…


代わりに時々…ハッとするほど、女性らしい表情を見せるようになってきた…一途に自分だけに向けてくれる愛情に包まれて、女の子らしい柔らかい雰囲気を持つようになってる…

オレには絶対にしてやれなかったコトを、渉は、ちゃんとやってのけた…


兄貴としては、嬉しいような…ほんの少しの寂しさも混じってるような…そんな気分…

幸せになって欲しい…と願わずにいられない…

けど、前にゆきにそう言ったら

「太ちゃんは自分のコトだけ考えてたらいいのっ！ゆきのコトは渉が考えるコトなんだからっ」
って、返り討ちww


…自分の幸せか…あんま考えたコトなかったよな…そんとき楽しけりゃいい…みたいな…


…自宅に着いて、車を停め、玄関を入る…


「…あ…」

珍しく奥から出てきたマサトと鉢合わせになった…

そか、年末か…どこも企業は休みか…

向こうも、いきなりオレがいたことにビックリしたカオしてるけど、すぐ目を逸らされる……まあ、慣れてるからいいけど…

仕方ないか…って、すれ違うときにちょっと苦笑いしたオレ…

「何が可笑しい…」

マサトの声がして、オレは床に突き飛ばされた…


「…ってぇ、テメェ、ナニすんだよっっ！」

「ナニ笑ってる……オレのコト、バカにしてんのかっっ！」

激昂してるって言う表現がピッタリだった…ただ何に対してこれほど怒り狂ってるのか、オレにはさっぱりわからなくて…目の前に立ちはだかってるマサトを凝縮した…

「…なんだその目…っ、オレのコトを憐れんでるのかっ！ふざけんなっっ！」

胸ぐら掴まれ引き上げられて、そのまま壁に打ち付けられる…

「…なんなんだよ…っ、離せよっ！」

血走ったマサトの目がオレを睨み付け、怒りに任せて胸の部分を圧迫してくる…


「……ッッ」

撥ね付けるコトは簡単だった…だけどオレは敢えてソレをしなかった…本妻の子で、歳上…
立場の違いを、子どもの頃からイヤと言うほど思い知らされている…ただコイツの怒りが治まるのを待てばいい…ソレがオレの役目…

その時…


「……オマエも、オレのコト…負け犬だって思ってんだろっッ！！」


マサトの振り絞るような声が、オレに投げつけられた…

１４８話→←GAYASAKURAです。。追加の感謝感激！！

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