ボーイフレンド(借)ーレン・フレ ２

６８話 ページ20

「太輔、載ってるぞ、例のボランティア」

取材から２週間程して、ラブ・アゲ事務所にこの前の図書館の記事が掲載されてる雑誌が届いた…

「へぇ…けっこうページ数取ってンだな…宏光、思ったより扱いデカい…」

オレにボランティア紹介した人物的なコトで、宏光の名前と顔がけっこう大きく出ていた…
知らなかったんどけど、素顔は恥ずかしかったらしくて、黒の伊達メしてる…余計顔がちっちゃく見えて、可愛らしさは倍増してるんだけど…

オレについては、模範解答がまんま掲載されてて…ま、コレについてはハルカは満足してンだろ…ウソだらけだけど、よくあるコト…

「あ、そだ…コレ宏光に持ってってやろっ！」


読ませたいのは…オレの宏光の紹介記事…

以外とそのままが載っていた…オレの気持ち、こんなカタチで伝えんのもアリだよな…

「渉、ちょっと出てくるわ！」
「おう、ハルカさんもいねーし、今日は遅くなってもいいぞっ！」

どこに行くのかはバレバレみたいだな…

「渉、サンキュ！行てきま！！」
「行ってら！」

地下に止めてある車に乗り込み、オレは図書館へ向かった…昨日の電話で、今日は終日図書館って言うのを聞いていた…


「宏光…どこだろ、カウンターかな…？…は？」

(…どうして…っ？)

カウンター業務をしてる宏光の前に…ハルカが座っていた…

この前の…ぎこちない雰囲気とは真逆の…二人して笑って…何か会話をしていた…

確実に二人の距離が縮まってるのを感じた…



「…ナニしてンだよ…」

オレに気づいたハルカの顔が、一瞬で険しくなった…同時に宏光の表情も強張ったように固くなる…

「あ、太輔…来てたのか…」
オレへの宏光の声が、明らかにオレとハルカの遭遇を心配するようなトーンに変わった

「なんで、アンタがココにいんだよ」
「別に…取材の雑誌が届いたから、宏光に持ってきただけだよ…なんだよ、他に何か理由がいるのか？」

ムカつくような返答…会いたいから会いに来てる…ハルカの表情がそう言ってるようで…

「余計なことすんなっ！」

「太輔、他の人いるからっ！…ハル、コレありがと…」
「…いいよ、じゃ、気を付けろよ…」
「うん…」

目の前の二人の会話…オレの知らない二人だけの会話…

二人の視線がオレの目の前で絡む…そして、名残惜しそうに…少しだけ振り返るハルカ…ソレを無意識に追いかける宏光…


オレは、哀しくてたまらなかった…


「…宏光…ハルカと何、話してたの…？」

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