69話 ページ21
「ん…」
目線を下に向け、口ごもる…
「オレには…言えないコト…?」
「…今仕事中だから…」
「…待ってていい?」
軽く頷いて…宏光はカウンターに並んでる人に、いつもの笑顔を向けた…
図書館のバイトが済んで、今日はこのままコンビニでバイトのハシゴって言うから、車で送っていった…
「…雑誌…思ったより、オレの顔が…大きく出てただろ…オレさ、前にネットでヤなコトあってな…ハルが心配して謝りに来たんだ…太輔だけのつもりが、こんなコトになってて申し訳ないって…」
「…え?」
「…オレも掲載するの了解したから、ハルだけのせいじゃねーしな…伊達メもしてるし、たぶん大丈夫だと思うんだけど…」
「そうだったの…ゴメン…オレ、知らなくて…」
「お前と会うずっと前のコトだから、知らなくて当たり前…太輔が気にすることじゃねーよ…それより……記事読んだぞ、オマエさ…あれヤバイぞ、ちょっと聞いたら告白じゃん、あんなの」
宏光の顔が、ちょっと赤くなった気がした…
「だって…そう思うんだから、しかたねーじゃん…それに告白…だもん…」
「だもん…って、…オマエな…雑誌でンなコトしてどうすんだよ、公共のもん私的利用すんな!」
「…ゴメン…」
叱られてショボンのオレに、宏光の手が伸びて、運転してるオレのアタマをポンってしてきた…
「…まったく、マジ天然ボーイ…」
「ハイ、すみません…」
「…クス…でも、嬉しかったよ…大事なこと教えてくれたって、書いてくれて…オレみたいなヤツ…ちょっとでも、なんか役に立ててるなら良かった…」
「…宏光…」
「ありがとな…太輔…」
その優しい言葉と静かな笑顔に、キュン…てオレの胸が鳴る…
「…あ、着いたよ」
「お、サンキュ、マジ電車代助かったわ!」
ニコッと笑って、シートベルトを外そうとした宏光を、オレは座席に押し付けるように抱き締めた…
「…好きだ…宏光…っ」
何も言わず…抵抗もせず、抱き締めてるオレの背中をなだめるようにポンポンってしてくる…
抱き締めたカラダを少し解放して…目の前にある宏光のカオに、オレの顔を近づけた…
唇が触れる寸前で…
…背けられる…予想通りの展開…
「…悪ィ…行ってくるわ…」
…そう言って俯いたまま…宏光は車を下り…コンビニに入っていった…
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GAYASAKURA(プロフ) - かりんさん» おはようございます!いつもコメありがとうございます!藤北玉、確かに!みややがいないので、玉ちゃん泣きっぱですよねwwごめーんて思いながら書いてますwwまた覗いてくださーい!3もよろしくお願いいたします! (2016年1月4日 8時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - ふじみつさん» おはようございます!いつもコメありがとうございます!太輔ぴぃ、イケめてますか?よかったぁぁ!ちょっとキャラ変覚悟で伴いますが、みっくんへの会いは変わらないのでww見守ってやってくださーい!コメ感謝です!3もよろしくお願いいたします! (2016年1月4日 8時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
ふじみつ(プロフ) - こんばんは。レン・フレも〜〜大好きす。太ちゃんね、かっこよすぎですね。そしてやっぱり優しい。続き楽しみで仕方ありません。お正月そうそうワクワクしっぱなしです。ありがとうございます。 (2016年1月4日 1時) (レス) id: bd0b5699da (このIDを非表示/違反報告)
かりん(プロフ) - 太輔さんがかっこよすぎーー*\(^o^)/*裕太くんかわいそうだけど間に合って良かったヽ(;▽;)ノいつも王道の三角関係にキュンキュしてます! (2016年1月3日 21時) (レス) id: 6394949c3a (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - zinnikaさん» こんばんは!コメありがとうございます!太輔ぴぃ、走ってますよぉwwうーん…速攻藤北ぁ!になるかは…まだ検討中ですww移行になるのは必至かな…よかったら続き覗いてみてくださーい!コメ感謝でーす! (2016年1月3日 19時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2015年12月6日 12時