ボーイフレンド(借)ーレン・フレ ２

５６話 ページ8

不穏な空気の中、今日の打合せが終わり、ハルカは帰っていった…

世間に理解されない恋…

例えば《オレと宏光…》
例えば《ハルカと宏光…》

…だけど、好きなんだ…その想いしか…その真実しか……今のオレには無い…

ホッとため息をついた時、渉が声をかけてきた…

「…なぁ太輔、オマエさ、何であんなにハルカさんにつっかかんだ？、この前まで、あんなにハルカさん、ハルカさんだったくせに…」

不思議というより心配してるカオして、渉はオレに聞いてきた

「…渉は、平気なのかよ、オレらが作ったラブ・アゲ…勝手に引っ掻き回されて…完全に今、オレたちの知らないところでココ、動かされてんだぞ」
「でも、それはハルカさんのせいじゃないだろ、あの人は筆頭株主からの指示で動いてる…それに、もともと株式にすることを決めたのはオレたち二人だ、ハルカさんを責めるのは、オレは違うと思うぞ…他に、なんかあるんじゃないのか…？オマエがあんな風に誰かを攻撃するの、初めてだろ？」

渉の直感に、何も言えないオレ…

宏光とハルカの過去を知り…そして、おそらく進行形で繋がってる二人に嫉妬してるなんて、子どもじみたコト言えるわけもなく…

「…渉は、ラブ・アゲがこのまま株主達の好きにされてくの、いいのかよ…」
「ラブ・アゲが企業として認められて利益をあげて、大きなコトを成し遂げられるなら、オレは最大限利用できるものは利用したい…ハルカさんの知識と行動力、オレは身に付けたいと思ってるよ、まだ学生のオレたちがこの団体を二人だけで守っていくのはムリがある…ラブ・アゲはオレと太輔が作った大事な会社だろ、存続させたいなら、ある程度まではガマンするしかない、オレ達二人、力さえつけとけばいつでも形勢逆転は可能だ、だろ？」

ニヤッと笑って、オレに手を差し出してくる渉…そういうコトか…オレの顔に笑みが浮かぶ…

…だよな…


「…それにさ…」
「ん？…」

ちょっと赤くなった渉…なんだ？

「…太輔、オレな、ゆきが好きなんだ…アイツのコト…ずっと支えてやりたいと思ってる…」
「…え、ええええっ！ゆ、ゆきっ？」
「ん、いつか…ヨメにしたいと思ってる…ケド、太輔の親父さんに許可もらおうと思ったら、そこいらの並みの男じゃ許してもらえねーだろ…」

照れ臭そうに、鼻先をポリポリしながら渉はそう伝えてきた…渉とゆき……知らなかった…でも…

「…そか…ゆきの取説知ってんの、オレと渉だけだもんな…」

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