ボーイフレンド(借)ーレン・フレ ２

８８話 ページ40

店を出てからも、ハルは何もなかったように接してきて、映画見てこの前約束してた、オレの奢りで牛丼食って…明日は朝から鎌倉のサーフショップに出張らしくて、少し早めの解散になった…

いいって言ったけど、オレの家の近くまで送ってくれて…

「宏光んち…静かでいいトコだな」
「学生の時からずっと住んでるからな、商店街近くて、店のおばちゃん達フレンドリーだぞ、給料前はコロッケのオマケが泣くほど嬉しいんだよな」
「ハハ、オマエ昔っからおばちゃん受けめちゃいいよな」
「ハルはおねーさん受けマジ神だよな、オレ、ムカついてたもん」
「なんのジェラシー？」
「高身長ジェラシー！…言わせんな！」
「ブハッ！ソコかよっ……あ、公園あるじゃん」

楽しそうにハルが公園に入ってジャングルジムに登っていった…とっとと登っていって、一番上に来ると、下から見てるオレに手を差し出した
「おいで…」
「え、オレ高いとこ苦手なんだけど…」
「大丈夫だって、オレいるし…ホラ！」

しぶしぶ登ってくけど、前から思ってたけど、このジャングルジム…子どもの遊具にしてはメガ級にデカいんだよな…

てっぺんの鉄柱に並んで腰かけると、オレを支えるように後ろからハルの手が腰の隣の鉄柱に回る…

「…やっぱ思ったよりたけーな…」
「怖いか？」
「…うーん、油断してるとヤバい気がする…」
「オレ、支えてんじゃん……まだ…不安？」

ハルの声のトーンが変わっていた…ジャングルジムのコトを意味してるんじゃない…それだけはわかる…

「ハル…」
「…今はオレのコト…好きじゃなくても…オレへの同情でもいい…オマエが言ってくれた様に、少しずつでいいから…元に戻れたらと思ってる…オレといることでオマエが安心できる空間…作ってみせるから…いつかオレを好きになってほしい……って…なんかテレんな………降りよ…」
そう言ってカオ赤くして一人で降りていくハル…え、ちょい待て！

「ハル…コレさ…どやって降りんの？」
「え？普通に降りてこいよ…できねーの？」
下…遠い…高い…
「ヤバい…かも…」
「ちょっと待ってろ…」

慌ててすぐ来てくれたけど…さすがに抱いて降りるとかはムリで、途中まで右足下ろせとかなんか指示が出てた…

「オッケー、手離せ」
後ろ向きだから、よくわかんなくて両手離したらいきなりカラダが落下…？
「うわっ！」
「はい、お帰り」
すぐ傍にあるハルのカオ…
「好きだよ…」

ハルの想いが、オレの唇を通して伝えられた…

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