ボーイフレンド(借)ーレン・フレ ２

５０話 ページ2

自分の想いを貫けば良かったんだと、今は思う…でも、毎日毎日事実とは違う話を作られ、親や教師から問い詰められる日々…大学受験を前にしてオレは正直参っていた…宏光も同じだったと思う…けど自分のコトにいっぱいいっぱいだったオレは、宏光を庇うコトも守るコトも出来なかった…

挙げ句…絶対にしてはいけないことをしてしまった…

「あんなキス、遊びに決まってんじゃん…アイツ結構可愛い顔してるし、キスしたことないって言うから、ちょっとからかってみただけだよ…まったく、こんな騒ぎになるなんて思っても見なかったわ、サイアク…」

「えー、じゃ抱いたことねーの？」
「あるわけねーよ！…ま、アイツから頼んできたら抱いてやってもいいかな…女みたいな顔してるし、それなり盛り上がりそうだよな」
「ハルカ、おまサイテー！」

仲間と笑い飛ばして…けど、オレは知っていた…教室のドアの向こうに宏光がいることも…今の話を全部聞いていることも…全部承知の上で、オレから一方的に想いを絶ち切った…


…アイツは、なんにも言ってこなかった…怒るコトも、オレを罵るコトもせず、いつもと変わらない静かな学校生活を送っていた…人の噂もなんとやら…その内面白がってたヤツらも受験モードになり、オレ達のことは単なるヤンチャな遊びだったんだと忘れ去られていった…


…今でも後悔してる…どうしてあの時、自分ではなく宏光を守ることをしなかったのか…離れても、まだあいつを求める想いが消えることはなくて…卒業式の後、アイツに出した手紙もアイツの手にわたったのかもわからなくて…



オレの中では、何一つ終わってない…宏光への恋…



会わなければ…良かったのかもしれない…

こんなカタチで、会わなければオレの想いはキレイなままで終われたのかも…

太輔と宏光…





…オレは必ず、オマエから宏光を取り戻す…

５１話→←GAYASAKURAです。。。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す