Memento

想い人 … ６ ページ7

金髪の人に《ここに居なよ》って言われて、ホントにそれでいいのか、キョロキョロまごまごしてたら、「結永いるか？」「結永返事しろっ！」ってとーさんとかーさんの大きな声が通りの先から響いた

周りの人も《なになに？》ってキョロキョロし始めて、僕はすこーしだけ恥ずかしくなった

「ほら！言った通りでしょ！」って、金髪さんがパチって片目瞑った

「さ、行きなよ！安心させてあげな？」
「うん、じゃ…さよなら」

向きを変えた僕…、「結永」と呼び止められた
振り返ると金髪さんがニコッと笑い「…さっきの話、忘れんなよ！」って、バイバイって風に手を軽く振ってきた

それに、とりあえず頷いて見せる

そして結永結永！って何度も名前呼ばれて流石に焦った僕は、声のする方に向かって走っていった

「ひろ、結永いた！」「お前なんでこんな奥まで来てんだよ！」

僕を見つけたとーさんとかーさんが走って来た、傍に来るなりかーさんの腕が僕を包んだ

「お前もぉ、中々帰ってこないから心配したんだぞ！」
「ゴメンなさい…」

胸元から離されると、かーさんに《めっ！》て顔して叱られた、その隣でとーさんがホッとした様に笑っていた

「結永、お使いご苦労さん、ジュース買えたのか？」
とーさんに聞かれて、僕はビニール袋を渡した

受け取ったとーさんは、中を覗くと「お、オレの好きなジュース！ありがとな、結永」と言い、「向こうで飲も！」と僕の手を取って歩き出した

君想橋まで戻り、とーさんが僕とかーさん「はい、どうぞ！」にジュースを渡してくれた

「宏光、これ飲んでちょっとクールダウンしろって」
まだちょこっと険しい顔してるかーさんを見ながら、とーさんが笑って見せる

かーさんはジュースを一口飲んでからホッとため息を吐いた

「…も、ホントに心配したんだぞ！寄り道はダメだろ！」
言葉通り…帰ってこない僕を心配して探してくれたんだろうなって分かるから、僕も「ゴメンなさい、かーさん」としか言えなかった

「まぁまぁそんな怒るなって！寄り道くらいするよな、祭りなんだし！」ポン…て僕の頭に手を添え、とーさんが言ってくれた

「もぉ！そもそもお前が一人で買ってこいとか言うから！もし結永が変な事に巻き込まれて帰って来れなかったらどうすんだよ！！」

かーさんの変な想像に、僕は慌てて声を上げた
「かーさん！僕ここにいるよ、大丈夫だよ！」

そう言うと、かーさんはハッと表情を変え、とーさんと僕に「ゴメン…」と言った

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