Memento

想い人 … １０ ページ11

「ベッド行こ…」
「うん…」
「ギュッてして…連れてく」

ギリ足元が見える位まで灯りを絞り、そのままオレの尻を持ち、子供を縦抱っこするみたいに抱き上げた、両足を太輔の腰を挟むように絡ませると、ニコッと笑って「ソレ好き！」って鼻先にチュってしてくれた

そして同じタイミングで、一つのドアに視線が向かう、そこは元々結永が寝てた部屋…


小等部入学をきっかけに、結永の部屋はオレ達の寝室続きから、二つ離れた子供部屋に移った

御厨さんからの入学祝いで、机やベッド、本棚が運び込まれ、空き部屋だった場所は、結永の初めてのお城になった

この部屋は、太輔が今の結永と同じ頃に使っていた部屋で、太輔も結永が引き継いだ事を凄く喜んでいた、

オレは、と言えば…

「なぁニカ、結永、夜中にトイレ一人で行けるのかな？」って、何気無くを装い話すと、、めちゃくちゃ呆れた顔して「ミツさぁ心配し過ぎ、そのうち結永にウザがられるよ！」と言われ、...(lll-ω-)ﾁｰﾝになった


「…ｸｽｯ…気になる？」
「え？……いや、そんなこと無い…」

そう答えると、オレのほっぺにキスした後ベッドに腰掛けた、抱っこされたままだから必然的にオレは太輔の膝の上…、密着する様に腰を引き寄せられ、顔を寄せられた

片方の手が頬に添えられ、指先で耳に髪が掛けられる

「今はオレを見て欲しいかな…」
切なさを含む甘く響く声が、耳元に掛かる

「…たい…」
「その呼び方も久しぶりで、嬉しい」
くしゃっと子どもみたいに笑う太輔に、キュンとドキドキが一気に押し寄せる、もう番になって何年も経つのに…と、焦る自分が恥ずかしくなった

「アレ？どしたの？」
「…っ、お前…困る…」
「ん？」
「ドキドキ…させ過ぎて、…オレ、結永のかーさんなのに…理性、無くさせんな…」

精一杯の言葉で、この自分的に危機的状況を伝える、ハッと太輔の表情が変わり、直ぐに溜め込んでたみたいな深ーいため息を漏らした

え、オレなんかした？地雷踏んだ？ちゅどん？


「…理性ぶっ壊してんの、ひろでしょ」
「ほ？…わっ！！」

一瞬後に、太輔がオレをベッドに押し付けた

顔の横に手を着いて、オレを見下ろす瞳には、濃いオスの色が見えた

「今はかーさんはお休み、オレだけの《ひろ》がいい…ゴメンガマンとか無理！」
「えっ！太輔？」

あっという間に着ていたタンクを捲り上げられ、ベッド下に放り投げられた、


「いっぱい鳴かせたい、声聞かせて…愛してる…」

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