Innocent … 君想う日々２

守るべき人 … ６０ ページ13

「今日とーさんとかーさんと幼稚園行くの？ヤッター！！」

朝から結永は賑やかだ

太輔が遅く帰ってきたから、顔を見たのは朝になってて、朝ごはんの後、二人で並んで歯磨きしてるのを微笑ましく見ていた

鏡越しに観てると、2人…よく似てるんだな
顔立ちもそうだけど、雰囲気というか…やっぱり同じ《‪α‬‪α‬‪α‬》て言うのも関係してんのかな…

「結永、リュックにお弁当入れたか？」
「入れたー！」
「よーし、んじゃ行こか？太輔、お待たせ」
「おう！もう皆川が車着けてくれてる」

靴を履いた結永が「とーさん、かーさん、手繋ご？」と両手を差し出してきた、可愛いオネダリにオレと太輔も顔を見合わせ微笑み、結永を真ん中に手を繋いだ

小さな手は、まだまだオレ達の手で包み込めてしまう、フンワリ柔らかい掌の肌触りにホッと心が落ち着ける

「みながわさん、おはようございます！」
「結永様、おはようございます」
「今日、とーさんとかーさんと幼稚園行くの！」

嬉しそうに皆川さんにそう言うと、皆川さんがオレ達を見ながら頷いた

「おお、お二人で結永様を送って行かれますか？」
「はい、薮先生にも御挨拶をしたいので…」
「今日ね、あきとくんとまりかちゃん、なかなおりするの！今日からなかよしになるんだよ！」

朝から結永はこの話でもちきりだ、
体中から、嬉しいが溢れてる

ピカピカの笑顔は、オレ達の気持ちまで明るくしてくれる、

「そうですか、それは良うございました、結永様のお気持ちが伝わって何よりです…では、車にどうぞ」
「はーい！」

後部座席に太輔、結永、オレの並びで坐る
オレ達を交互に見ながら、結永がニコニコと笑っていた

そして、「あ」と小さく声を上げポケットを探った

「とーさん！はいコレ！」と握った掌を開いた
あるのはピンクと赤のマーブル模様の包み紙

「ん？」
「勇気の出るアメ！」
「あー昨日言ってたあの飴か？」
「うん、やくそくしたでしょ、とーさんにあげる！」

弾むような声で、太輔の手にその飴を乗せた

「そか、…うん、ありがとな…」
心做しか…太輔の目が少し潤んでるように見えた

「いいなぁ、それ食べたら勇気モリモリなんだろ？」
「そうだよ！、あ…でもかーさんの…」

表情が見る間に曇っていく、慌てて
「かーさんは大丈夫！」と言うと、太輔がフフっと笑い、包み紙の上からその飴を噛んだ、そして包み紙を開き、半分に割れた欠片を「半分こな！」とオレの口に入れてくれた

守るべき人 … ６１→←守るべき人 … ５９

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す