Innocent … 君想う日々２

守るべき人 … ４８ ページ1

「おじいちゃん、あきとくんね、まいごのネコちゃんを、ずっとおせわしてるんだよ」

ボクはだれにもいったことないネコちゃんのはなしをした、だってあきとくんは、ホントにやさしいんだもん

「ネコ…？」
「うん、ようちえんにしろいネコちゃんいるの
、あきとくん、ネコちゃんにじぶんのおやつあげてる、牛乳もだよ、そうだよね？」

あきとくんの顔をみてそう言うと、初めてみるびっくりな顔してた、そしてすぐに困ってるみたいな顔になった

「…ゆいとくん、なんでしってるの？」
「えっとね、…あきとくん、みんなとあそばないし、いつもいなくなっちゃうからどうしてかなって…、ナイショでついて行ったらネコちゃんが出てきた、あきとくん、ネコちゃん抱っこして笑ってたから、仲良しなんだって」

見たことを思い出しながら、あきとくんとおじいちゃんに伝えた

「だからね、おじいちゃん、あきとくんは優しいんだよ、あのねニカさんがね、どうぶつは優しい人がちゃんと分かるんだよって言ってた、ネコちゃん…あきとくんに抱っこされて嬉しそう、だからあきとくんは優しいんだよ！」

これでわかってもらえるのかな…？
ドキドキしながら、おじいちゃんの顔を見た

おじいちゃんは、ボクの方を見てそれからあきとくんを見た

あきとくんは、ずっと下を向いてて、おじいちゃんはあきとくんの前に行くと、ポン…て頭に手を乗せた

「彬人、結永くんが教えてくれたことは本当なのかい？」

良かった、おじいちゃん怒ってない…
あきとくんは、少ししてから「うん…」て言った

「まりかちゃん…ネコ触りたいって、でもネコいるの…せんせいが知ったら…ぜったい捨てられる、まだ子猫だから、捨てられたら死んじゃう……」

「それで、あの女の子にキツい事を？」
「捨てられたら、一人ぼっち…、可哀想だもん、ひとりぼっち…さみしい、から…」

あきとくんが、涙をふくように顔を手で擦ると、おじいちゃんがおっきな手であきとくんの顔を触った

「そうか…そうだな、一人ぼっちは、寂しいよな…」

そのままあきとくんをギュッてした途端、あきとくんが、おっきな声で泣き出した、おじいちゃんはあきとくんの頭や背中を撫でながら「すまなかった彬人、一人ぼっちにして悪かった」て何回も言っていた

ボクはあきとくんが泣くのを、はじめてみた…
いつもは近寄れないあきとくんが、なんだか今はすぐ近くにいる気がした

「それで新しい幼稚園に変わるの、あんなに嫌がったのね…」

守るべき人 … ４９→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す