Because I Love you....2 (ページ49)

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＿＿＿宏side.

「んぁ？こいつも連れて帰ってくれよ」

『積もる話もあるでしょ、』

そう言って足早に玄関に向かうAを〝待て待て″と言いながら追いかけた。

「なんかあった？」

背中に向かって問いかけると

『別に』

「別にって顔してないだろ。」

腕を掴んでこっち側を向かせると、ポツリと涙が零れ落ちた。

「あいつになんか嫌なことされたのか？」

『………………っ、……れてない』

「ねぇー、宏光ーーーっ！ちょっと…A…？」

伊織がリビングのドアから顔を出すと

『おやすみ』

俺の手を振りほどいて家をでてった。

「あーあ、宏光泣かせたー」

「お前、タイミング。空気読めよ」

「ヤキモチ妬いてんのよ、あたしに」

「あ？」

「昔からそうだったでしょー、宏光と私が仲良くしてると泣きそうな顔してさー、いじけて…その度に宏光が〝どうした？″って心配してあげて。」

「そんなんだったな。」

「宏光が結婚するかもって焦ってんのよ、あの子」

「焦る？」

「大好きな宏が誰かのものになっちゃうのが嫌なのよ」

その大好きってのは、兄としてだろ？
寂しいってだけで、俺がお前に思う気持ちとは、違うんだ、きっと。

「追いかけないの？」

「追いかけようとしてんのにお前がベラベラ話しかけてくるからだろ」

「宏光、素直になりなよ？」

「あ？」

「男らしく生きなさいよ。」

伊織に送り出されてAの元へ走り出した。