Because I Love you....2 (ページ38)

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＿＿＿宏side.

家に戻るとAがソファーに丸くなって寝てた。

＿＿カタッ

テーブルの上にケーキ屋で罪滅ぼしにと買って来たプリンを置いて眠るAのソファーの前の床に座り込んだ。

「無防備だな、随分…」

制服のスカートから伸びる足に、着ていた上着をかけた。

思春期の男なんだからもう少し意識しろよ、馬鹿野郎。
眠るAの頭を優しく撫でて〝ごめんな″って小さな声で謝った。

なんで俺たち血の繋がった兄妹じゃないんだろうな…

本当の兄妹だったらきっとこんな感情生まれないのにな。

〝妹″

自分自身に言い聞かせるためにわざと強調するんだ。
Aは、妹だから手だしちゃいけないって。
手出したら終わりだって。

〝妹″だって口にするたび俺は、心が苦しくなるんだ。

〝好きだ″って素直に言えたら楽になれんのか？

・

・

・

伊織からの電話で昔の記憶が蘇った。

結局、〝好き″だなんて告げる事がないまま大人になった俺とA。

住むマンションが一緒だから嫌でもあいつの行動パターンがよめちまう。
最近は、俺の部屋にも顔を出さなくなった。

それは、きっと玉森の存在のせいなのかもしれない。

男女の友情は、どっちかが恋愛感情を持った時点で成立しない。
俺があいつに恋愛感情を持った時点で崩壊してたのか？
いや、でもバレてるはずがない。
完璧に演じてきたはずだ。

結局あの時あいつが言ってた〝好きな人″の存在も分からずじまいで、

あの後、その〝好きな人″とやらと身体を重ねたかも知らないんだ。

聞けないし

聞きたくない。