70億分の2人 season2 (ページ22)

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72. ページ22

＿＿＿二階堂 side.

「こんばんは」

「こんばんは…」

「花子の母です。」

「あっ、えっと…二階堂高嗣です」

「娘から二階堂さんのお話は、お伺いしてたんですけど…」

こんな事態になればそりゃ親もでてくるか。
俺のことをどこまでどんな風に話してるのかわかんないから俺もなんて言っていいかわかんなくって黙り込む。

「ごめんなさいね、ご迷惑お掛けして。」

「いえ…、なんか…すみません…」

「こんなことしても貴方を困らせるだけなのにね……
二人のことだからね、私があれこれ言おうとは、思ってないんだけど…
あの子が納得するまでは、ちゃんと話をしてあげて欲しいと思ってます。」

「それは…もちろん。そのつもりです。」

「ずっとね…、泣いてるのよ。布団の中にはいったまんま。」

「………そうですか…」

「二階堂さんは、きっと来てくれないって…。またなんか変なことしないか心配で目が離せなくてね…」

そう言った花子のお母さんの顔は、疲れてた。

「僕、付いてるんで少し休んで下さい」

「二階堂さんも寝てないんじゃ…」

「僕は、大丈夫なんで。お母さん、数時間でも寝たほうがいいですよ、」

「…じゃあ、お言葉に甘えて…少し仮眠させていただくわね。」

「はい」

病室の外でそんなやりとりを交わして、深呼吸して病室のドアを開けた。