70億分の2人 season2 (ページ20)

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70. ページ20

＿＿＿二階堂side.

【私、死ぬから】

花子から送られてきたLINEを見て飲もうとしていたコーヒーが入ってるコップをシンクに置いた。

あの日話は、終わったとばかり思ってたんどけど？
なんだこのLINE…

嫌な予感しかしなくて慌てて電話を掛けるもののすぐに留守番電話になる。

「…マジなんなの？冗談でしょ…？」

【マジで意味わかんねんだけど。死ぬとか簡単に言うなし】

そう返事を打って何と無く胸騒ぎがして、車のキーを手にして家を飛び出した。

俺の中では、花子とは、とっくに終わったとばかり思ってたし、あの日だって俺に水をぶっかけて怒って帰って…それから連絡だってなかったし…

まだ持ってた合鍵を使って家の中に足を踏み入れた。

「おーい、入んよ？いんでしょ？」

声を掛けるものの返事は、ない。

リビングにも寝室にも人気がないし

「花子！？」

名前を呼んでも返事もない。

ちょ…っ、

待ってよ。

残すは、バスルーム。

＿＿＿ガラッ

ドアを開けると浴槽から手をダラんと垂らしてその腕からは、ポタポタと赤い水滴が滴り落ちる。

「花子！！！」

「…か………く…い……」

抱き上げて濡れたままの花子を急いでリビングに連れてタオルで手首を止血して携帯で救急車を呼んだ。

〝ワカレタクナイ″

うわ言のように何度もそう呟く花子。

なにを言っていいかもわからず、ただ手首をタオルで強く押さえて救急車が到着するのを待った。