70億分の2人 (ページ37)

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＿＿＿二階堂 side.

「うるさい、黙れ。そして帰れ。」

ひよっこ野郎にそう告げると

「って言ってるけど？どうする？カワウソの赤ちゃんに看病してもらう？」

「誰がカワウソの赤ちゃんだよっ！まじ、で！ヒヨコと話すとバチ疲れる」

「は？ヒヨコじゃねーし！」

「うっせー！早く帰れってぇ！」

ひよっこ野郎とそんなやりとりをしていたら

『…どっちにも看病してもらわなくていい』

か細い声でそう言って

「は？」
「はぁ？」

ひよっこ野郎と声がハモった。

『子供じゃないし…へいき…』

そう言ってフラフラとエレベーターに乗り込んだAを慌てて追いかけた。

フラッと倒れそうになる身体を抱きかかえた。
ほら言わんこっちゃねーじゃん。
なにが〝子供じゃないし″だよ、バカか。

「あのさ」

「なんだよ、まだ居たの？早く帰れって」

「そーゆー中途半端な優しさいらないから」

「は？」

「なんなの？鬱陶しいんだよね」

「は？」

「恋愛対象として見てないんだったら変に優しくするなよ。
いつまでAの心の中に居座り続けるわけ？
図々しいんですけどぉ！」

「図々しいとかお前に言われたくねんだけど。」

「早くAの中から出てってよ。すーぱーじゃま、」

って俺からAを奪おうとするからその手を払いのけた。