先輩と私(Ki) (ページ8)

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08. ページ8

＿＿＿you side

＿＿ピンポーン

インターホンに慌ててドアを開けると息を切らせて〝あっちー″ってネクタイを、緩める北山先輩がいて飛びついた。

「ぐぁっ、おま…っ、あぶねーだろ」

『怖かったんですよ…ほんとに…』

「モニター確認してからドア開けろよ」

『だって北山先輩ってわかってたし』

「にしても、確認を怠るな」

『…はい』

北山先輩の顔を見てホッとしたら力が抜けた。

「おいおいおいっ」

北山先輩に抱きかかえられて

『なんか、先輩の顔見たら安心しちゃって…』

って〝へへっ″と顔を見上げると

「俺の家に住めば？」

『へ？』

「奇跡的に部屋空いてるし？隣で人が死んだ家に住んでられないだろ、この感じだと」

『いや…っ、でも…』

「他に当てがあんなら別にいいけど」

引越しをするにも…すぐにってのは、無理だし。
実家に帰るのも遠くて会社に通えなくなるから無理だし。
友達の家に泊まらせてもらうのも悪いし…
ホテルだとお金かかるし…
でもここに住むのは…先輩が言うように無理、か、も。

「住まわせてやる条件で家事全般は、やってもらうよ」

『え？』

「ちょうど、家政婦欲しいと思ってたし？」

『家政婦？』

「引越し先決まるまで住めば？」

『……いいんですか？』

「掃除、洗濯、ご飯の準備とかしてくれれば住まわせてやるよ」

お言葉に甘えてもいいんだろうか？
でも、流石に…北山先輩といえども男だし…
女の私が一緒に住むなんて…どうなの？