先輩と私(Ki) (ページ42)

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42. ページ42

＿＿＿you side,

『いや、違わなくないっていうか、その別に藤ヶ谷先輩のこと好きって言ってるわけじゃないっていうか…ほらなんか誤解されたら悪いっていうか…』

慌てて弁解する私を見て藤ヶ谷先輩がクスクス笑って

「ほんと、Aって楽しい」

『え。』

「そんな必死に弁解しなくても大丈夫だよ。俺もそこまで自惚れないって。」

「藤ヶ谷さんも今フリーなら二人付き合っちゃえばいいじゃん！」

「高嗣、飲み過ぎ」

『ちょ…っと、お手洗いに…』

ニカちゃん、なにを言いだすのか。
逃げるようにトイレに避難した私。

藤ヶ谷先輩が私なんか相手にするわけないじゃんか。
悪ノリもいいとこだよ、ニカちゃん。

北山先輩は…今頃…鈴木さんと楽しく過ごしてるのかな…
本当に私のこと好きなわけ？
鏡を見て〝はぁ″ったため息をついて両手でパンパンっと自分の頬を叩いてからドアを開けた。

トイレから出ると人とぶつかりそうになって

『すみません』

って謝ると

「お姉さん一人ですかー？」

って腕を掴まれた。

『えっ、』

「一緒に飲みません？」

って顔も赤くてお酒くさい男の人。

『いや…っ、連れが…っ、』

よく考えてよ、ひとりでくると思う？

「えー、連れって女の子ー？」

『いえ…っ、違います…ちょっと、手を離してもらえますか？』

「楽しく飲もうよー？あ、二人で抜け出しても「A」」

呼ばれた名前と共に藤ヶ谷先輩が私の腕を引いた。

「遅いから心配したよ」

「…………………」

「なに？俺の女になんか用？」

って聞いたこともない藤ヶ谷先輩の低い声にドキっとする。

「いえ…、すみませんでした…」

藤ヶ谷先輩の睨みと低い声にビビったのか酔っ払い男は、逃げていった。

「大丈夫？」

『大丈夫です…っ、』

〝俺の女″って…
ヤバい、惚れてまうやろぉぉぉぉぉお。

「ん？」

『いえ…』

「ごめんな、怖かったよな」

って撫でられる頭。

『全然、大丈夫です…』

暗くて狭いところだからかな？
こんなにドキドキするのは…。

「おいで」

って微笑まれて繋がれた手。
更に私の心臓は、ドキドキした。