先輩と私(Ki) (ページ24)

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24. ページ24

＿＿＿you side.

「ランスルーやばくない？」

ランスルーが終わってからニカちゃんが話しかけて来た。

『なにがどうやばいの？』

「や、だって全然ダメなんばっかじゃん。本番大丈夫か心配よ、俺。明日よ？」

『まー、敏腕プランナーの北山先輩がなんとかしてくれるって。』

「めっちゃ、女の人に群れられてっけどね、キタミツ」

『え？』

〝ほら″ってニカちゃんが指差す方向に北山先輩。
クライアントの女性陣が群がってる。

「当日は、こりゃキタミツは、会場出禁だな」

『なんで？』

「だって、ぜってー、参加する女の人群がんじゃん」

『…………』

「いいよなー、女の人よりどりみどりで」

本当にモテるよね、北山先輩って。
ノリがチャラめだからすぐ声掛けられちゃうし…
モヤッとした私の心。
別にいつもの光景なのになんで？

「おい、誰かビンゴ大会の備品車から取ってこい」

って上司の声に

『あっ、私、行きますっ！』

北山先輩が他の女の人と楽しそうに話をしてる姿をなんだか見ていられなくて逃げるようにその場を離れた。

・

・

・

『あ……』

勢いよく名乗りを上げて車までやって来たけど、肝心の鍵持って来てないじゃん。

クルッと方向転換すると

＿＿ドンッ

誰かとぶつかった私。

「鍵持ってかないアホがいるかよ」

って鼻で笑われる。

『…すみません、わざわざ。丁度、取りに行こうかと思ってたんですよ』

「ほら」

渡された鍵を受け取って

『戻って大丈夫ですよ、先輩は』

「んぁ？ひとりで運べないだろ」

っていいながらワイシャツの袖のボタンを外して腕まくりをする北山先輩。

『戻らなくて大丈夫なんですか？クライアントの方が待ってるんじゃないんですか？』

「大丈夫だろ。つーか、疲れたし？」

『…大変ですね、モテる人は』

私なんかじゃなくったって探せばいくらでもいるはずなのに、北山先輩なら。
愛想良くって口が上手いんだもん、北山先輩…無意識に女の人たぶらかしてるんだよ、きっと。

悪い男だ、この人は。