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『美怜が…？』
驚いて声を上げた私に、皮肉そうに口端を持ち上げ視線を投げかけるセンラさん。その瞳には、私の知らない美怜と時間を共にした、底なし沼のような闇が広がっていた。
「びっくりやろ？俺もたまに分からなくなるで。美怜って演技上手いもんなぁ」
『あの、…嘘って、どういうことですか？』
センラさんに尋ねかけると、彼の切れ長の瞳は細められた。私を試すような彼の態度に、心臓が微かに緊張して高鳴るのを感じる。
「…んー、そこは自分で探してみればええんちゃう？」
…そんなこと言われても。
美怜の考えていたことなんて、分かるわけがない。
「まぁでも、一つだけええこと教えたるわ。」
『っ…はい！』
「あんな、美怜はな、」
ゴクリ、と唾を飲み込む。
「美怜は、可哀相な人やで。ずっと大切にしてたもんが、生きてる間に手に入れられなかったんやから。」
…？どういうこと？
「俺が言えるのはここまでや、ごめんな」
『っいえ！ありがとうございます。』
「まぁでも俺は、Aちゃんの味方にはなれん。」
『、え？』
思わず訊き返した私を無視して立ち上がるセンラさん。そのままひらひらと片手を振って空き部屋から出ていってしまった。
私の味方にはなれないのに、何で私に情報を教えてくれたの？
ｶﾞﾁｬｯ
一人考えていると、不意にドアが開く音がした。コツコツと靴の音を立てて私の後ろまで歩いてきた、誰か。そのままじっとしていると、背中からギュッと強く抱きしめられる感覚がした。
「…A、」
え。
「ごめんA。ずっと我慢してたんやけど、やっぱ無理や。」
『志、麻…？』
「さっきセンラと話してたやろ。何話してたん？なぁ、うらたさんの所に戻ったんとちゃうん？うらさんと別居しとるってほんまなん？なぁ、答えてや。」
止まることを知らずに、流れるように私に問いを投げかけてくる。突然ここに入ってきた志麻は、恐らく先程出ていったセンラさんに何かを聞かされたのだろう。
「俺がお前と縁を切ったのは、俺よりうらたさんの方がお前を幸せにできると思ったからやで？」
『え…？』
志麻は、美怜が好きなんじゃないの？
矛盾してるよ、可笑しい、
「自分を騙してお前と縁切ったのに、意味ないやん。ほんなら俺もう一回お前のこと奪うで。」
考えるより先に顎に手を掛けられ、後ろを向く。抵抗しようとした私の手を抑え、志麻は私にキスをした。
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ハクト(プロフ) - 奏斗さん» コメントありがとう！覚えてるよ、久しぶりだね！奏斗の作品こそ文の表現が綺麗で、とても勉強になります笑 毎日更新していく予定だから、良ければまた読みにきてね！(*^^*) (2020年7月2日 22時) (
レス) id: 2aaa8e08bf (このIDを非表示/違反報告)
奏斗(プロフ) - 展開が読めないところが面白い！惹かれた！更新頑張って！(思わずタメで話しちゃったけど、覚えてないよね、ごめんなさい) (2020年7月2日 22時) (レス) id: 2650d5f3fb (このIDを非表示/違反報告)
ハクト(プロフ) - 絵が上手くなりたいさん» 完全に打ち間違えでした、ご指摘ありがとうございます！ (2020年7月2日 18時) (レス) id: 2aaa8e08bf (このIDを非表示/違反報告)
絵が上手くなりたい(プロフ) - 消防車？救急車じゃなくて？(きつく聞こえてたらすみません)夢主ちゃんいい性格してる (2020年7月2日 18時) (レス) id: e48c7240eb (このIDを非表示/違反報告)
ハクト(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます！読者の皆様に楽しんで頂けるよう、今後も精進してまいりますので、楽しんで頂けたら本望です(*^^*) (2020年7月2日 12時) (レス) id: 2aaa8e08bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハクト | 作成日時：2020年7月1日 22時
