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繋がれてた手が離されて、肩をガッと掴まれる。ちょっと痛いけど、志麻が必死なのが分かるからされるがまま。
「あほか!!!!!」
「…ごめんなさい。」
この前ケンカ別れしたままなのもあって、志麻と目が合わせづらくてすぐに目をそらした。圧もあるけど。
「腕掴まれただけやな?他どこも触られてへんな?」
「え、う、うん。」
よかった、と志麻が言ったと同時に志麻の腕の中へと引っ張り込まれる。ぎゅうっと少し強いと感じるくらいの力で抱きしめられる。
安心する。そっと志麻の背中に腕を回す。…心音早いのバレちゃうかな。いいや、怖かったって言えばいいや。
「…ちょっと、移動するで。」
周りがざわざわとする中、一度離されて手を握られて移動する。
移動先は、志麻の家。移動中の電車の中でもずっと手は握られたまま。リビングに通されたかと思うとまた抱きしめられた。
「…めっちゃびっくりしたし、めっちゃ腹立った。お前は俺のもんやのに。」
志麻の言葉にどきり、胸が鳴った。”俺のもん”って何それ。そんなの言われたことないけど。そんな風に思ってくれてたなんて知らないけど。
「…志麻、」
「ん?」
「…なんであそこにいたの。」
じっと上にある志麻の顔を見れば、目をそらされた。
「…Aと話したくて、迎えに行った。」
「…なにそれ、」
なんで、今日の志麻はそんなにかっこいいの。言わないけど。ラインしても返事なかったから行った、ってそういえば今日スマホ見てないな。
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