顔が好き！！【志麻】 (ページ16)

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　外に出れば、いつかの合コンで出会った人がいきなり声をかけてきた。…なんで、この場所知ってんの。気持ちわる…。

　「…何の用ですか。」

　「Aちゃんに用があって。ほら、この前は邪魔されたし。」

　この前って…坂田くんが追い払ってくれた時だよね。どう考えてもあのときの状況、坂田くんが恋人にしか見えなかったと思うんだけど。彼氏いるなら合コン来るな、とか言われたし。

　「私は用ないので、失礼します。」

　「いや、そんなこと言わずに。」

　一緒に出てきた同期は、どうしようかと近くでおろおろしているだけで、役に立ちそうにはない。…１人でどうにかするしかない。

　どうしようかと思っていれば、腕を掴まれた。ぞわぞわする。気持ちが悪い。

　「はな「離せや。」…。」

　離してください、そう言おうと思ったのに、最後まで言えなかった。私と相手の間に、人が割り込む。背中だけだけど分かるよ、志麻。…なんで、いるの。ヒーローみたいに現れて。

　この前の坂田くんもそうだったけど、ほんとタイミングよすぎる。

　「…なんだよ、お前。」

　「コイツの彼氏やけど。お前こそなんなん？」

　聞いたことないような地を這うような低い声。庇われてる私ですらちょっと怖い声。

　「は、はぁ！？この前、違う男がいたじゃないか！！！！」

　公衆の面前で大声で叫ぶものだから、周りの人たちからの目線が痛い。