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もうこれでいいでしょ!と話を切り上げて、乾杯して、ご飯を食べ始めたものの、何が気に入らないのかさっきからずっと不機嫌な顔の志麻。
…せっかくの顔が、ゆがんでる。それですらカッコいいっていっそ罪な気がする。
「ちょっと、顔、」
「あぁ?」
何でコイツ、こんなに機嫌悪いの意味わかんない。
理由言えって言われてちゃんと言ったのに。むしろ、今不機嫌な理由、ちゃんと言ってほしいくらいなんだけど。
「…何がそんなに気に入らないのよ。」
「お前が、俺の知らん間に、目付けられとるんが気に入らん。」
「…はぁ?」
目をつけられる、って自分で言うのもなんだけど、結構いつものことなんだけど。今更何言いだしてんの。
「…ちょっとくらい、俺を頼れや。」
「…なにそれ。」
持ってたグラスを、机の上に思わずたたきつけた。
グラス割れてないといいんだけど、そんなことも頭からは消えてた。
「私たち、そういう関係じゃないでしょ?ただ、便利だから、つけたようなそんな関係じゃない。」
そんなの、知らない。そんな関係性なんて私は知らない。
だって、そんなこと言ったら志麻は困るでしょう?顔しか好きじゃない女からそんなこと言われたら。そんなこと言わないから、顔が好きってお互いの利点があるから、私と一緒にいるんでしょ?それ以外の理由なんてあるの?
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