天国逝きたいので善行積んどこうかなと思ってヒーロー目指してたけど推しCPがヴィラン側にいるのに気づいたので寝返ろうかと。 (ページ1)

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桜色 #fef4f4 ページ1

クソみたいな親の元に生まれて

扱いが難しい個性を天から授かって

とりあえず殴られたくないから必死に努力して

寝不足で足元がおぼつかなくてフラついて

階段から転げ落ちて

ありがちに前世の記憶を思い出した。

そして推しCPがヴィラン側に居ることを知って

ヒーロー志望だったけど寝返ろうかと。

『っていう僕の話なんだけど聞きたい？』

と言って彼は問答無用でナイフを振りかざし、

『ま、聞かせる気なんて無いけど』

と言って嗤った＿＿＿＿＿

『嘘だよ。最近流行ってるよね、異世界転生！』

そう言って薄気味悪い笑みを浮かべ振りかえる。

『そんな僕の自己紹介。聞いてく？聞いてくよね？』

返答を待たず押し付けがましく話始める。

『僕の名前は顔心幽。好きなものは人の悲鳴と血だよ。』

…厨二病の模範解答のような好みである。

『得意な物は音ゲーと殺人？かな。』

実際音ゲーは得意と良いっていいほど上手ではないが。

本題に入らない僕の様子を見て苛ついていく依頼主

それを見てさらに愉快になる俺。

奇妙な光景である。

そんな沈黙を破るように重々しく口を開く。

「アンタは何の情報が欲しいんだ」

質問に今度は真面目な顔をして言う。

『…僕に依頼するんだったらそれぐらい調べてから依頼してよね。』

急にイライラし始める。

依頼主の顔色はいたって真面目だ。何の変化もない。

それを見て僕はつまらなそうに。

『ハク・ジウンとダニー・ジョンソンの話。何かない？』

と呟いた。

淡々と情報を話す。

よくそんなに詳細な情報を覚えていられるな、と少し尊敬した。

わかりやすく整理すると二人は一緒というわけではないらしい。

探すのが面倒だ、と眉をひそめた。

うんうん唸っているとふと依頼主が

「アンタは何でそんなに奴らの情報を欲してるんだ。」

と呟いた。

確かに端から見たら異常だろう。

是非とも理由を教えてあげたいところだがモブ君に教える事はない。

だから精一杯可愛い子ぶって

「シィー、ないしょ！」

と片目を瞑って見せた。

依頼主ははぁとため息をつき踵を返した。

おっと、呆れられたようだ。

依頼主の後を追うように駆け足で家まで帰った。

まだあたりは薄暗く、人の気配が感じられなかった。

小声でぽそりと

「せーふ…」

呟いた。

そういえば、話は変わるが明日からとある学校に転入するらしい。

色々面倒くさそうだが,明日のことは明日考えよう。

寝不足になると生活に支障をきたす、早く寝よう。