手紙と電話と最期と、//ni ページ6
現パロに見せかけた軍パロです。
＊＊＊＊＊
微かに、残っていた。
君の温度が、手に。
君の声が、耳に。
君の匂いが、鼻に。
君の姿が、目に。
本当に微かにだが、残っていた。
君との日々は、微かなんてものじゃなく、大きく、深く、
私の心に、残っていた。
『...兄さん、私、兄さんがいないとダメだよ。』
私はドジで、ずっと兄さんに支えて貰っていた。
幼なじみの兄さんに、小さな頃から。
一つ上の兄さんの後ろをついていて、兄さんが高校にあがって付き合い始めた。
でも、昨日、別れた。
私は大学に通って、兄さんは働いていた。
一緒に住んで、協力しあった。
私は、何も出来ていないけど。
泣き張らした目のまま、兄さんの使っていたベッドに座り込む。
帰ってきて...。兄さん、寂しいよ...。
ねぇ、兄さん、どこにいるの？
声を聞かせてよ、兄さん...。
私は止んだはずの涙を溢しながら、声にならない叫びをあげていた。
『...寝ちゃってた。』
寝てたようで目を擦りながらベッドをおりる。
寝起きで目を擦っていた私は、バランスを崩し、転ぶ。
『いったぁ...。』
肘を打ち、転んだ体制のまま痛みに悶える。
その時、ベッドの下に白い紙袋が見える。
何かと紙袋を引きずり出し、中を見て驚いた。
大きな紙袋に似合わぬ、小さな手紙が入れられていた。
Aへ、と綺麗な字で書かれている。
恐る恐る、手紙を私は開いた。
Aへ
これ見とるんなら、俺はもう家におらへんってことやな。
まず、いきなり別れるとか言ってごめんな。
まだ、国に発表されてないけど、今度大きな戦争があるんや。
その戦争、勝てる確率が低いんや。
言ったら、絶対止めるやろ?やから、あんな形になった。
ほんまにごめんな。
戦争は−−月−−日に開戦する。
それまでに、Aは山の空洞に逃げて欲しい。
俺はわからへんけど、Aは生きてな。
兄さんより
兄さんも生きてよ、なんて兄さんがいなきゃ生きる理由なんてないよ。
そして数日後、戦争にはギリギリで勝てたと聞いた。
でも、一通の電話で私は目の前が真っ暗になった。
.........兄さんが、亡くなった。
瀕死の兵を庇ったと聞いた。
少し話して電話を切った。涙を抑える余裕なんてなかった。
『...兄さん、やっぱ、かっこいーね。』
ポツリと呟く。
私は、7階にあるマンションの兄さんの部屋から
迷わず飛び降りた。
___彼氏を追う少女は迷わない。
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*くろイッチー* - 詩零さん» コメントくれてありがとねえええ！私は詩零さんみたいに書けるように頑張るよ！ (2018年9月28日 23時) (
レス) id: fed23bc6dd (このIDを非表示/違反報告)
詩零(プロフ) - *くろイッチー*さん» はぁぁぁ、先輩！！！()よし、見てきます！！！( (2018年9月24日 14時) (レス) id: 774e5d4f62 (このIDを非表示/違反報告)
*くろイッチー* - 面白い！（*^_^*）ども！先輩やで！私の書いたおすすめ作品は「轟くんよ、君にやってみたい事が←[轟焦凍]」、「ん”！？いや、何処だよ←」、「え、何このクラス..面白いんだけど！[妖怪学校の先生はじめました！]」 (2018年9月24日 13時) (レス) id: fed23bc6dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩零 | 作成日時：2018年6月23日 21時
