【A3！】毒舌リリィ (ページ1)

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初めて訪れたのはいつだったか。

そのくらいに長く通いつめている、お気に入りのお店が私にはあった。

普通の人ならきっとそこには辿り着かないような所にひっそりと佇むそのお店。

いつ行ってもお客さんは私1人で、店主のおばあちゃんとお話するのが私の楽しみになっていた。

だけど

チリンと来客を知らせた軽やかな音によって、私の楽しみは全く形の違うものに変わってしまうのだった。

｢おばあちゃん、お客さん来たね。｣

婆「そうだねぇ。

Aちゃん以外のお客さんが来てくれるのは本当に久しぶりだよ。」

私がパッと笑顔を浮かべてそう言うと、ふにゃりと顔を緩めたおばあちゃん。

その言葉を聞いて、私の足は自然と入口の方へと向かった。

どんなお客さんかな？

可愛い子？綺麗なお姉さん？

少し不思議な期待に胸を踊らせて人影の方へと視線を向けると、そこにいたのはうぐいす色の髪の可愛いらしい女の子だった。

興味は持ったものの人見知りが発動してなかなか話しかけられずにいる私に気付いたらしい。

彼女は少し訝しげにこちらを見ると、やや遠慮気味な口調で質問をぶつけてきた。

？｢･･･あんたがここの店長？｣

｢え、私？

いえ、私はただの常連さんですよ。

だから─｣

？｢なんだ。

店員でもなんでもないんなら別に用ないし。

俺のことは気にしないでいいよ。｣

なんだろうか。

見た目に反して厳しい口調の子だなと感じた。