WANTED (ページ9)

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ノゾムの役割　(青) ページ9

そろそろ見張りの交代の時間。

重い体に鞭打って自室から出ると、向かうは甲板。

そこでは毎日、今から交代する奴が体を鍛えてるはずや。

愛用の銃の柄をするりと撫で、扉を開けた。

「リュウセイやん、うっす。」

こいつはノゾム。

この船の戦闘員。

戦闘員とは言っても武器持って突撃していく訳ではない。

メインは大砲。

遠距離での戦闘が始まったら基本的に大砲はアキトとノゾムが担当してる。

大砲の弾って案外重いねん。

やから最近は体を鍛えまくって力をつけてるらしい。

1番最後に仲間になった事もあって、まだ補佐的な事がほとんどや。

やけど、俺的にはめっちゃ助かってる。

ノゾムはしっかりしてるから、俺の苦手な在庫管理もやってくれるし寝過ぎてたら起こしてくれる。

倹約家でもあるから、この船の金の管理も最近はカミちゃんと一緒にやってくれてるみたいや。

なんやかんやでこの船にもだいぶ慣れたみたいで良かった。

今も我が物顔でアキトが取っておいてたジュースを勝手に飲んでる。

そして最年少やのに1番の高身長。

俺もデカい方やけど、更にデカい。

そして最年少らしくあざとい。

さっきのジュースも、きっと目うるうるさせて謝るんやろうなって予想できる。

そんでアキトも怒るに怒れんで、ぐぬぬってなるんやろう。

ホンマ世渡り上手やわ。

しかし、そろそろ接近戦も教えなあかんな。

俺みたいに銃か、はたまたシゲみたいに剣なんか。

ハマちゃんは双剣やし、カミちゃんはナイフでアキトは拳。

まぁ、上手いこと皆使う武器がバラけたし、ノゾムの使ってみたい武器を教えるか。

「なぁリュウセイ。俺一回斧使ってみたいわー。」

こっちも見ずに鍛えながら言った、まさかの選択に驚いた。

「……やってみたら？誰も教えられへんけど。」

「何でそんなん言うんー！？」

ああ、今日も大変な一日や。