WANTED (ページ10)

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引っ越し(紫) ページ10

すぅ、と息を吸うと皆が俺に注目する。

「引っ越ししよ！」

晩飯を囲みながらそう言うと、は？とでも言いたげな顔で見て来る6人。

いやまぁ確かにいきなりすぎたなとは思うけど。

俺やってちゃんと考えてるんやで。

「ほら、ジュンタの本も多なってきて置くとこないし！」

「まぁ……。確かに置き場所には困ってるけど。」

お、ジュンタは好感触？

「ノゾムもリュウセイと部屋無理やり半分にしたから狭いやろ？」

「まぁ俺らデカいしな。」

「せやな。」

2人も好感触！？

「カミちゃんもキッチン狭いって言ってたやん！」

「確かに言ってたけど……。」

そう言いつつチラチラ気にしているのはアキトの方。

「シゲちゃん、刺激欲しいやろ？環境が変わったら気分も変わるやん！」

「さんせー！広いのええやーん！」

あ、シゲちゃんはちょろかった。

残る問題は……アキト。

「アカン。」

腕組んでムスッとした顔でそう言う。

そう、この船の内装は全てアキトがやった。

やから愛着が沸いて頑なにOKしてくれへん。

「でも！もう改造するとこないで？ここより広い船やったら改造し甲斐があるやん！」

そう言うとピクっと反応する。

お！後もう少し！

「気に入ってる家具とかは持っていけばいいし、な？久しぶりにアキトに模様替えしてもらえるん楽しみやねん！」

「……わかった。ええよ。」

長い沈黙の末にようやく首を縦に振ってくれた。

でも渋ってた割に、喜んでるのが一目でわかるくらいに顔がにやけてる。

可愛ええやっちゃ。

そうと決まれば、行動は早い。

その日のうちに各自荷物をまとめていつでも引っ越しできる準備を整えた。