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水平線続きだった景色が終わり、キレイな街並みが見えて来た。
3人はこの船の仲間たちや船長と挨拶を交わし、最後の別れを惜しんでいる。
遂に船が止まり錨が下ろされると、一層仲間たちの別れの言葉も大きくなる。
「お別れ、せんでええんか。」
隣におった親父が3人を見ながらそう呟く。
「親父、ごめん。俺行くわ。」
震える声でそう言うと、ゴツゴツした荒れた手で俺の頭をガシガシと撫でた。
「はぁ、そう言うと思っとったわ。」
驚いて顔を上げると、ニヤリと笑う。
「ジュンタとハマちゃんには頼んである。しっかし、どうせアキトにはアカンとか言うて止められてるんやろ？」
図星過ぎてぐうの音も出ない。
何も言えない俺に、親父は手を差し出した。
受け取って手のひらを見ると、そこにはエメラルドのピアスが1つ。
「餞別や。足手まといにはなるなよ。行って来い！」
背中を叩かれ、俺は3人の後を追いかけた。
「っていう事で、ここまで来たらええよな？」
ムスッとしてるアキトにジュンタがポンポンと肩を叩く。
俺はあからさまに怒っているアキトに顔向けできず、ハマちゃんの後ろに隠れるしかない。
「ええやん〜。親父さん公認なんやし！なぁカミちゃん！」
そう言うハマちゃんに頷く事しかできない。
「何や、アキトはこんな可愛いカミちゃんを1人この街に残すんか？」
ジュンタにそこまで言われて諦めたのか、組んでいた腕は解かれ眉間のシワがなくなる。
「俺はホンマにモンチが心配なの！……まぁでも、置いて行こうとしてごめん。これからも一緒にいような。」
そう言って笑顔で手を差し出してくれた。
これが俺がウエスト海賊団に加入した瞬間の話。
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作者名：かんた | 作成日時：2021年10月8日 23時
