＊30話＊ ページ30
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鈍器かなにかで、頭を殴られたような感覚になったのは
台風がくる季節の、ある日だった。
突然雨が降ってきたその日
私はちょうど折り畳み傘を持ってきてて
鞄から取り出しながら校門に向かってた時、遠くの方でその人を見つけた。
A「(…話しかけよう、かな…)」
一瞬でイメージしてしまった。
私の傘に入って、2人で帰るとこ。
考えただけで幸せだった。
でも次の瞬間、考えなきゃよかったと思った。
「…しょお〜っ…」
左の方から現れた黒髪の女の人。
私が話しかけられなかった、その人に
とても簡単に声をかける。
顔を寄せ合って
何かを話して
二人で笑いあって
広げた傘に二人で入って
全部全部
私がやりたかったこと。
…馬鹿だな、私。
二人が校門の角を曲がって、姿が見えなくなってからも足が動かない。
右手には、広げてないままの傘。
「なにしてんの」
不意に声をかけられて振り返ると
目の前を人影が通り過ぎて
手の中にあったものを、一瞬で奪い取られた。
え、なにっ？
ビックリしながら視界に捉えたその人は
私の傘を勝手に広げ始める。
A「ニノ」
和也「傘忘れた。入れて」
A「え、あ、いいけど…」
和也「早く行くよ。追いつかない」
A「へ？」
何故か急かされてる。なんでだ。
よく分からないけど、言われるがまま着いていくと
前の方に、さっき見た2人の姿が見えてくる。
あんまり見たくないのに。
追い越しちゃいそうな勢いでニノが歩くから
どうか気づきませんように、って思いながら通り過ぎようとした。
…のに。
和也「翔さん」
追い越すタイミングで
急に歩く速さを落として
そう声をかける隣の人。
…やだ、やだやだ
翔「あ、ニノ」
声が聞こえる。
いつもの声。
顔が見れない。
和也「またね」
翔「おー」
和也「行こ、A」
そのまま振り向けなかった私は
ニノに遅れをとらないように歩いた。
……ドクン。ドクン。
痛い。胸が、痛い。
和也「雨つよ」
A「…ね」
和也「あなた、濡れるよ？もうちょいこっちこないと」
A「…はい」
振り向いたら
私の知らない翔さんが
大切な人だけに見せる顔をした翔さんがいるんじゃないかって
怖くて仕方なかった。
だからその時
翔さんがどんな顔をしていたのか
私は見ることができなかった。
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爽歌。(プロフ) - みーなさん» コメントありがとうございます！遅れてしまい申し訳ありません！恐らく気のせいではないかと(￣∇￣)ﾌﾌﾌｯ…♪ 気がついて下さって嬉しいです(^^) (2019年7月16日 14時) (
レス) id: 1b1d416676 (このIDを非表示/違反報告)
みーな(プロフ) - 途中で「じゃなくて」が入ってるのは気の所為でしょうか？笑 (2019年7月13日 12時) (レス) id: d1c7014bf6 (このIDを非表示/違反報告)
爽歌。(プロフ) - たまきさん» たまきさんも読者の皆様も優しくて優しい世界で私わ幸せだなって思います(Ｔ＿Ｔ)ｱﾘｶﾞﾀﾔ〜 2章も立ち上げてみたので、よろしければ遊びに来てくださいっ♪ (2018年10月23日 14時) (レス) id: 1b1d416676 (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 急に自分の名前が出てきたんでびっくりした笑私なら大丈夫よ〜(^^)もうこんなことやられたら好きが止まらなくなっちゃうね！ヒロインちゃん健気だから幸せになって欲しいです( ^ω^ )いつまでも待ってるから爽歌ちゃんのペースでね( ^ω^ ) (2018年10月17日 21時) (レス) id: b049bce828 (このIDを非表示/違反報告)
爽歌。(プロフ) - ゆり:)さん» ゆりさん、コメントありがとうございます(*ﾟ∀ﾟ*)！そうですねぇ、色々思わせぶりな男子たちですね(笑) 2章も立ち上げてみたので、是非いらして下さい(*´-`) (2018年10月17日 21時) (レス) id: 1b1d416676 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：爽歌。
| 作成日時：2018年8月16日 21時
