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*28話* ページ28

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大学の夏休みは長い。

長いはずなのに、あっという間に終わってしまったのは

楽しかったっていう証拠だったのかな。






教授「〜…という事で、来週からはちゃんと授業すしますので」






大学が始まって一週間。



まだどの授業もガイダンスばっかりで

チャイムも鳴ってないうちに、学生達が片付けを始めて騒がしくなる教室。



ふぅ、と息を吐いてから

私も右側の扉に向かって歩き出した。



昼休みは1時間弱ある。

でも、この時間の学食混んでるしなぁ…

どこかのベンチ空いてないかな。



ふらっと裏庭に立ち寄ってみると

3つ並んでるうちの1つのベンチが空いてる。

ラッキー。



よいしょ、って腰をかけると

おろしてた髪が風に吹かれて、頰を撫でたから

徐に空を見上げた。






翔「…お、偶然」






え。



ぱって声のした方を振り向くと

白シャツに黒のインナー、ジーパンっていう格好のせいで

より一層爽やかな人。





A「しょ、うさん」

翔「なにしてんの」

A「あ…お昼食べようと思って」

翔「そっか。隣いい?」





あ、どうぞ!って

焦って左の方にズレて座る。

空いたスペースに腰掛ける翔さん。



充分スペースは空いてたのに

焦って遠ざかったせいで、ぎこちなく空いた距離。



関係ないんだ。

距離が遠かろうが近かろうが

胸が高鳴る事に変わりはない。





翔「俺もちょうど、ご飯食べるとこ探してて」

A「そうなんですね」

翔「お昼何?」

A「さっき買ったんですけど、新商品らしいです。よくわかんないです」

翔「よくわかんねぇの?(笑)」





笑いながら翔さんがビニール袋から取り出したのは

コンビニの麻婆丼。美味しそう。

それから、ちらっといなり寿司も入ってるのが見えた。



翔さんはよく、部室でもいなり寿司を食べてる。

好きなんだろうな、って思う。





翔「3限は授業?」

A「いえ、空きコマです」

翔「あ、そうなんだ。ゆっくりできんね」

A「翔さんは?」

翔「俺はもう終わり。バイトまで時間潰そうとしてたとこ」





ていうことは、翔さんも時間があるって事だ。

ていうことは、もう少し一緒にいれるって事だ。



って。

またそんなこと考えてる。

このやろう、自分。






翔「…ふはっ」

A「?」

翔「や、ごめん。なんでもない」






複雑な私の心の中なんて知らない翔さんが

無邪気に見せたその笑顔に

腹が立って胸がときめいた。

*29話*→←*27話*



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設定タグ: , 櫻井翔 , 二宮和也   
作品ジャンル:恋愛
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爽歌。(プロフ) - みーなさん» コメントありがとうございます!遅れてしまい申し訳ありません!恐らく気のせいではないかと( ̄∇ ̄)フフフッ…♪ 気がついて下さって嬉しいです(^^) (2019年7月16日 14時) (レス) id: 1b1d416676 (このIDを非表示/違反報告)
みーな(プロフ) - 途中で「じゃなくて」が入ってるのは気の所為でしょうか?笑 (2019年7月13日 12時) (レス) id: d1c7014bf6 (このIDを非表示/違反報告)
爽歌。(プロフ) - たまきさん» たまきさんも読者の皆様も優しくて優しい世界で私わ幸せだなって思います(T_T)アリガタヤ〜 2章も立ち上げてみたので、よろしければ遊びに来てくださいっ♪ (2018年10月23日 14時) (レス) id: 1b1d416676 (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 急に自分の名前が出てきたんでびっくりした笑私なら大丈夫よ〜(^^)もうこんなことやられたら好きが止まらなくなっちゃうね!ヒロインちゃん健気だから幸せになって欲しいです( ^ω^ )いつまでも待ってるから爽歌ちゃんのペースでね( ^ω^ ) (2018年10月17日 21時) (レス) id: b049bce828 (このIDを非表示/違反報告)
爽歌。(プロフ) - ゆり:)さん» ゆりさん、コメントありがとうございます(*゚∀゚*)!そうですねぇ、色々思わせぶりな男子たちですね(笑) 2章も立ち上げてみたので、是非いらして下さい(*´-`) (2018年10月17日 21時) (レス) id: 1b1d416676 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:爽歌。 | 作成日時:2018年8月16日 21時

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