＊1話＊ ページ1
.
“大学”
私にとって、それは
ずっと憧れの場所だった。
現役時代の結果が納得できなくて
浪人すると決めてから、はや一年。
やっと憧れだった大学に入学できたものの
地方から来た私は、慣れない一人暮らしで。
皆んなより一年遅く始まった大学生活。
知り合いは誰もいない。
話しかける勇気もなかなか出ない。
みんなより一年遅れたせいで
大学に向ける憧れも一年分膨らんでたのに
…アレ、大丈夫かな。
漠然とした不安が私を襲っていた。
A「…はぁ」
最初のガイダンスの帰り。
なんだか精神的に疲れて1人でふらふらと大学を出ようとすると
大学の醍醐味であるサークルに勧誘しようとしてる先輩方で賑わっていた。
おどおどしながらその波をかき分けてる時
ドンッ！と後ろの人に押されて
あ、やばい。コケる。
バランスを崩しながらそう思った時
ふわり、と
優しい風が肌を撫でた。
「…っと、大丈夫？」
そうやって助けてくれた
これがあなたとの出会いで。
パッと顔を上げた時に
私はもうおちていたんだと思う。
この時はまだ気づいていなかったけれど。
A「あっ…すみません。ありがとうございます」
「いいえ。新入生？」
A「え、あ、はい、そうです」
「すごい人でびっくりするよね。気をつけて帰って」
その日、まだ誰とも話してなかったもんだから
何故かカタコトになってしまった私に
優しくそう話しかけてくれた彼は
「あ、そうだ。コレどーぞ」
そう言いながらイタズラに笑って
持っていたチラシを、ピラッと私に渡してくれた。
チラシの上の方には
勢いのあるフォントで書かれた
“storm”の字。
「今度歓迎会やるから、よかったら来て？楽しいよ」
じゃあねって言った彼の笑顔は
春の陽射しに照らされて、キラキラ輝いていた。
姿が人の波に消えてしまっても
私の胸は鳴り止まないままで。
これから始まる新しい生活に
新しい光が差し込む予感が、少しだけしたんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 873人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
爽歌。(プロフ) - みーなさん» コメントありがとうございます！遅れてしまい申し訳ありません！恐らく気のせいではないかと(￣∇￣)ﾌﾌﾌｯ…♪ 気がついて下さって嬉しいです(^^) (2019年7月16日 14時) (
レス) id: 1b1d416676 (このIDを非表示/違反報告)
みーな(プロフ) - 途中で「じゃなくて」が入ってるのは気の所為でしょうか？笑 (2019年7月13日 12時) (レス) id: d1c7014bf6 (このIDを非表示/違反報告)
爽歌。(プロフ) - たまきさん» たまきさんも読者の皆様も優しくて優しい世界で私わ幸せだなって思います(Ｔ＿Ｔ)ｱﾘｶﾞﾀﾔ〜 2章も立ち上げてみたので、よろしければ遊びに来てくださいっ♪ (2018年10月23日 14時) (レス) id: 1b1d416676 (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 急に自分の名前が出てきたんでびっくりした笑私なら大丈夫よ〜(^^)もうこんなことやられたら好きが止まらなくなっちゃうね！ヒロインちゃん健気だから幸せになって欲しいです( ^ω^ )いつまでも待ってるから爽歌ちゃんのペースでね( ^ω^ ) (2018年10月17日 21時) (レス) id: b049bce828 (このIDを非表示/違反報告)
爽歌。(プロフ) - ゆり:)さん» ゆりさん、コメントありがとうございます(*ﾟ∀ﾟ*)！そうですねぇ、色々思わせぶりな男子たちですね(笑) 2章も立ち上げてみたので、是非いらして下さい(*´-`) (2018年10月17日 21時) (レス) id: 1b1d416676 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：爽歌。
| 作成日時：2018年8月16日 21時
