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四十二 ページ44

沖田.side


『……大丈夫…大丈夫………』
沖田「…………もう、いい」
『……分かった』

落ち着いて、小さく息を吐いてから、俺はアイツにそう告げた。
すると、アイツは本当にすぐ離れた。
………何故か、その様子を見て胸が痛くなった。
さっきまでの、姉上を亡くしたことに対しての痛みとは何か違う。
今まで感じたことの無い痛みだ。

『……片付けて、寝た方がいい』
沖田「………あぁ……」

俺の分の酒は、さっきアイツの胸ぐらを掴んだ時に落としてパーになっている。
よって、すでに酒は無い……アイツの分を除けば。
いる?と差し出してきたが、それを無視して立ち上がった。
何でそんなガキ臭ぇことをしたかは分からねぇが、すぐに離れられて、少し苛立っていたからかもしれねぇ。

沖田「……………テメェのだろ。テメェで呑みやがれ」

流石にガキ過ぎるため、一言だけ言い捨てて片付け始めた。
足下に転がる野郎どもを蹴り飛ばしながら、食器を集めていく。
……邪魔過ぎんだろ………
心の中で毒づきながらも着々と片付けを進めていると……

『……手伝う』
沖田「……酒はどうしたんでぃ。テメェ、呑むの遅ぇだろうが」
『……置いた。先に片付けてから呑む』

重ねた食器を持って、食堂の方へ消えていった。
縁側を見ると、まだ半分は残ったコップが、水晶のように輝いている。
暫くぼんやりと眺めていたが、ハッと我に帰り、余った食器を重ねると、抱えて食堂に向かった。
アイツと会わなかったから、恐らくすれ違っているんだろう。
今頃、残ってた酒を呑んでんだろ。
座敷に戻る廊下に出ると、予想通り、アイツは縁側に座っていた。
俺の気配に気付いてこっちを向く。
しかし何か言うわけでは無いため、無言になってしまう。

沖田「………手伝い……」

それを打破するために、手伝いの礼でも言おうかとしたが…
慣れねぇことなんぞするもんじゃねぇな。
結局中途半端になって黙ってしまった。
……しかし、それでもアイツは分かったのだろう。
少しだけ俺を見つめて、








スッ








『……うん』









ほんの少しだけ、口角を上げた。

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黒鴉(プロフ) - 遅れてしまい申し訳ありません。有難うございます、どうか首をキリンより長くして待っていてください。どうにかそれに見会う作品になるよう頑張ります! (2020年7月7日 19時) (レス) id: 30a687a706 (このIDを非表示/違反報告)
就村 隆成(プロフ) - 続き楽しみにしてますね〜 (2020年6月10日 23時) (レス) id: 67a11675bd (このIDを非表示/違反報告)
kansei(プロフ) - みづきさん» 返信が遅くなってしまい申し訳ありません……。素晴らしいなんてそんな…駄作ではございますが、これからも宜しくお願い致します! (2019年10月4日 17時) (レス) id: 30a687a706 (このIDを非表示/違反報告)
kansei(プロフ) - 亜蘭さん» 遅くなってしまい申し訳ありません……。ですよね、真選組全員カッコいいですよね!これからも応援宜しくお願い致します (2019年10月4日 17時) (レス) id: 30a687a706 (このIDを非表示/違反報告)
みづき(プロフ) - なんなんですかこの素晴らしい作品は…。続き気になります!頑張ってください! (2019年9月30日 18時) (レス) id: 05a7ae8b8e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒鴉 | 作成日時:2019年6月10日 12時

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