四十 ページ42
沖田.side
それだけ?
姉上が俺にしてくれたことを、それだけ…?
沖田「………、……せに…」
『……?』
沖田「何も、知らねぇ癖にッ!!テメェに何が分かる!?家族が一人もいねぇ、誰にも愛ッ……!」
そこまで言って、突然言葉がつっかえた。
………気付いてしまった…
何度もコイツが言っていた筈なのに、あまりにも無表情のまま言うから、どこか理解しきれていなかったんだろう。
沖田「…………」
『……?私に家族が居ないことを分かってるのに、何故聞くの?』
小首を傾げるアイツは、心底不思議そうだ。
そうだ、コイツは……
一人だったんだ…
両親は勿論、兄弟姉妹も友達も、何もいない。
だから愛情を注がれたことがねぇんだ。
家族から愛情を注いで貰えることがどんだけ嬉しいかなんて、知らねぇんだ。
『……私は家で一人だったから、姉に世話されるのが嬉しいかどうか、分からない』
分かってる。
『……だから、貴方のようには思わない……心、無い?』
…違う……
テメェに無いのは、心じゃねぇ。
コイツに無いのは……
「愛」だ
……俺は、愛してくれた人が……姉上が亡くなることが、何より怖いことだった。
…でも……
愛されたことなんてまるで無く、愛するものも無いなんて方が、よっぽど怖い。
まぁ、この怖いと思う感覚自体が、アイツには分からねぇんだろうな。
そしてアイツの場合は、その恐怖が当たり前なのだ。
いきなり海に突き落とされた時、泳げない人間と、もとより海に住む魚とでは、その水の中をどう感じるかは大きな差がある。
泳げない人間からすれば恐怖の塊であり、海に住む魚からすれば、ただの棲みかだと感じるのだ。
それと同じように、愛を知っている人間からすれば、愛が無いのは恐怖であり、愛を知らないアイツからすれば、愛が無いのはあまりにも通常運転なのだろう。
沖田「…………………」
『…………』
俺とアイツの間に、静か過ぎる空気が流れる。
事の重大さにやっと気付いて、俺には何も言えなかった。
コイツの方が、辛い筈なんだ……
コイツこそが、辛いと感じるべきなんだ…
……それなのに………
……何でテメェはッ…
フワ
沖田「!!?!」
『…………』
抱き締めてくれんだよッ…!!
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
32人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒鴉(プロフ) - 遅れてしまい申し訳ありません。有難うございます、どうか首をキリンより長くして待っていてください。どうにかそれに見会う作品になるよう頑張ります! (2020年7月7日 19時) (レス) id: 30a687a706 (このIDを非表示/違反報告)
就村 隆成(プロフ) - 続き楽しみにしてますね〜 (2020年6月10日 23時) (レス) id: 67a11675bd (このIDを非表示/違反報告)
kansei(プロフ) - みづきさん» 返信が遅くなってしまい申し訳ありません……。素晴らしいなんてそんな…駄作ではございますが、これからも宜しくお願い致します! (2019年10月4日 17時) (レス) id: 30a687a706 (このIDを非表示/違反報告)
kansei(プロフ) - 亜蘭さん» 遅くなってしまい申し訳ありません……。ですよね、真選組全員カッコいいですよね!これからも応援宜しくお願い致します (2019年10月4日 17時) (レス) id: 30a687a706 (このIDを非表示/違反報告)
みづき(プロフ) - なんなんですかこの素晴らしい作品は…。続き気になります!頑張ってください! (2019年9月30日 18時) (レス) id: 05a7ae8b8e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒鴉 | 作成日時:2019年6月10日 12時