三十七 ページ39
土方.side
『……たった､それだけの話』
そこまで言うと､Aは言葉を切った｡
……目の前で知り合いが皆殺しにされた時､人間はどうするんだろうか｡
ただただ絶望する？
それとも､Aのように復讐に燃える？
よく復讐に燃える登場人物なんてのがいるが､現実はそうじゃねえ｡
自暴自棄になって､自、殺がオチだろう｡
復讐しようっていきり立てるような輩は､そうそういねぇ筈だ｡
……なのに､鬼族とはいえ五歳のガキだったAは､復讐に燃え､そして実際にやり遂げた｡
コイツは､本当に強ぇな………
土方「……頑張ったな」
『……鬼族だから』
Aはやはり無表情で､特に傷付いている訳でも､悲しそうな訳でもない｡
なんともないというような顔をしている｡
コイツ､もしかして心壊れてんじゃねぇか……？
沖田「………感情ねぇな､テメェ」
『……喜怒哀楽ならある｡だから復讐しようと決めた』
沖田「テメェ…復讐して何か得たのかよ」
『……満足は､した』
沖田「……そうかよ」
総悟は再び黙ると､静かに酒を煽った｡
………あぁそうか……
テメェも､復讐しようとしてた人間だったなぁ…総悟？
案外似てんじゃねぇか？テメェら｡
フッと笑うと､総悟に鋭く睨まれた｡
まだ俺は許されてねぇのか｡
『……話さない方が､よかった？』
土方「？何でだ？」
『……お酒､進んでない』
土方「っ！！ンな訳ねぇだろ！？今はただテメェの話に聞き入ってただけでよ､別に酒が不味くなった訳じゃねぇから！」
Aに言われて､慌ててそう返し､手元にあったコップをまるごと飲み込む勢いで煽った｡
山崎「あ､それ俺の…」
土方「っるせぇ！呑んでねぇテメェが悪ぃ！」
山崎「身勝手過ぎません！？」
土方「おいA！注いでくれ！」
『……分かった』
若干､視界がボヤけてる気がするが気のせいだ｡
他の奴らも､思い出したかのようにAにコップを突き出し始める｡
誰がどれだけ呑めるかの勝負になり始めた頃､俺の脳もあとどれだけ働けるかの勝負が始まっていた｡
視界は既にぐにゃぐにゃ｡
頭がぐわんぐわんといって､尋常じゃねぇ眠気に襲われている｡
………もう無理か……
つーか､今日は疲れてんだ｡
早く寝た方がいいよなうんそうに違いねぇ｡
自分の中で完結させると､その場に寝転がる｡
すると､ちょうど頭がひんやりとして程よく柔らかい物体に乗った｡
枕にいいと思いながら微睡んでいると…
土方「……ん…？」
頭を､何かが往復している…？
優しく､まるで頭を撫でられているかのような感覚に眠気が更に煽られ､俺の意識はすぐさまログアウトした｡
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒鴉(プロフ) - 遅れてしまい申し訳ありません。有難うございます、どうか首をキリンより長くして待っていてください。どうにかそれに見会う作品になるよう頑張ります！ (2020年7月7日 19時) (
レス) id: 30a687a706 (このIDを非表示/違反報告)
就村 隆成(プロフ) - 続き楽しみにしてますね〜 (2020年6月10日 23時) (レス) id: 67a11675bd (このIDを非表示/違反報告)
kansei(プロフ) - みづきさん» 返信が遅くなってしまい申し訳ありません……。素晴らしいなんてそんな…駄作ではございますが、これからも宜しくお願い致します！ (2019年10月4日 17時) (レス) id: 30a687a706 (このIDを非表示/違反報告)
kansei(プロフ) - 亜蘭さん» 遅くなってしまい申し訳ありません……。ですよね、真選組全員カッコいいですよね！これからも応援宜しくお願い致します (2019年10月4日 17時) (レス) id: 30a687a706 (このIDを非表示/違反報告)
みづき(プロフ) - なんなんですかこの素晴らしい作品は…。続き気になります！頑張ってください！ (2019年9月30日 18時) (レス) id: 05a7ae8b8e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒鴉 | 作成日時：2019年6月10日 12時
