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そんなことをしているうちに、気づけば、二人の帰宅時間です。
「ただいまー。」
「おかえり。釣れた?」
「おん!あんな、こんなでっかい……」
「うわぁぁ!」
「え、何?!」
「あぁ、また始まった……」
さっきまで泣きつかれたのかちょっとは落ち着いていたのですが、崇裕が楽しそうに話すのをみて、悔しくなったのでしょう。
「ただいま……望、なんや、まだ騒いどるんか。」
「さっきまではましだったんだけどね、やっぱり二人が帰ってくるとね。」
「嘘つきぃ!」
「おい、流星死にそうな顔しとるやんけ。」
「そりゃ、一日こんな調子だったらノイローゼにもなるよ。」
私が望に何も声をかけずにキッチンに戻る姿をみて、何か思うところがあったのか、旦那が雷を落としました。
「おい望!自分で行かへんって決めたんやろ、自分の言葉に責任もて!」
「行かへんなんてのんちゃん言うてないもん!」
「言うとったわ、寝ぼけとるからって忘れんな!」
「ちゃうし!のんちゃん行きたいって言うたのに、おいてったんが悪いんやん!嘘つき!」
「おいこら望!」
望がポスッと旦那を殴りました。4歳の威力だから弱いとはいえ、一応手が出た、ということで、旦那の顔がきっとひきつりました。
錯覚でしょうか、旦那の八重歯が本格的に伸びてきたように見えます。
「おい、ええ加減に……」
「望、ええ加減にせえよ!」
日や
そう怒鳴ったのは、旦那ではなく、崇裕でした。
「眠いから寝るって決めたんは、望や。一日中おかんと流星に八つ当たりして、おとんに手までだして。気持ち良かったか?なぁ。」
崇裕が怒鳴るという滅多にない行動に、望だけでなく、家中が凍りつきました。大号泣だった望の涙は、引っ込んでいます。
「家族みんなに気ぃ使わせて。そんなんしとったらみんな望のこと知らんぷりするようになるで。ええ加減にしときや。」
それだけ言うと、崇裕は部屋へ帰っていきました。
ビックリしすぎて誰も声を出せず、リビングを出ていく崇裕を無言で見送ると、望が今度は静かに泣き出しました。
「たかちゃんが、怒ったぁ……」
わんわんではなく、ぐずぐずと泣き出した望ですが、さっきまで八つ当たりをしまくっていたせいで、誰も慰める気にならず。
私も旦那も、お灸を据えてやろうという気持ちになり、アイコンタクトで意志疎通し、放っておくことにしました。

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カミツレ(プロフ) - やんぴさん» 楽しみにしていただいているようでとてもうれしいです!いつも更新激遅で申し訳ないです(T-T)これからもよろしくお願いします! (12月2日 9時) (レス) id: 09f1bbf57a (このIDを非表示/違反報告)
やんぴ(プロフ) - 更新たくさんで嬉しいですー! (12月2日 2時) (レス) id: 622a51d340 (このIDを非表示/違反報告)
カミツレ(プロフ) - めぐさん» ありがとうございます!なかなか書く時間がなく…すみません…(T-T)できるだけ早く更新できるようがんばりますo(`^´*) (6月29日 22時) (レス) id: 09f1bbf57a (このIDを非表示/違反報告)
カミツレ(プロフ) - すーさん» ありがとうございます。更新頻度をあげたいと思っていますのでまたよろしくおねがいします! (3月2日 23時) (レス) id: 09f1bbf57a (このIDを非表示/違反報告)
すー - 更新楽しみにしてます(;;) (2020年2月29日 17時) (レス) id: e6c1d5125d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カミツレ | 作成日時:2020年1月1日 9時