関西家族物語。2

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今年の夏休みはとっても短かったのですが、暑いしまだ遠出ができる雰囲気でもないし、なんやかんやほとんど家にいる生活が続いていました。


「もうっ、望じゃまっ！」


「じゃまやない！のんちゃんもやる！」


「無理！」


「やーるーのー！！」


「もう、いい加減にしなさいっ！」


お陰で、毎日毎日我が家は戦場でした。特に多いのが、ゲームの取り合いです。


「のんちゃん、りゅう嫌がってるからやめな？」


「なんで！のんちゃんもやりたい！りゅうばっかずるい！」


「はぁ……もう、りゅう、ちょっと代わってあげてよ」


「昨日望の日やったやん！今日は俺の番やもん！」


「……うん、そうだねごめん……」


主に、このわがまま王子のせいです。


我が家はゲーム機が一台しかないので、子供たち三人は毎日交代で使える日を決めています。


とはいえ、崇裕はほとんどその権利を二人に渡してしまっていますが。弟たちと少し年齢が離れているので、甘やかしてしまうようです。


流星は、自由人だということもあり、気分ではなければすぐに譲ってくれるのですが、一度嫌といえばもう諦めません。


「のんすけー、俺と公園行こうやー」


「いや！のんちゃんゲームしたいの！」


「ええやん、おやつまで一時間だけやから！ちょっとだけたかちゃんに付き合ってや」


「……しゃあなしやで？」


こういうとき、本当に、我が家のお兄ちゃんは偉大です。


「ありがとね、たか。」


「ええよええよ。俺することなかったし。」


優しさのかたまりのような人間なので、わがまま王子に何を言われても怒らないし、弟たちが喧嘩したら宥めてくれる、頼りになるお兄ちゃんです。


私からすればとてもありがたいのですが、さすがにかわいそうなので、こっそりお菓子を買ってあげたり釣りにつれていってあげたりして還元しています。

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