関西家族物語。2

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我が家は、一応仏壇はあるものの、旦那の親族のお墓は大阪にあり、私の実家には明後日行くので、おせちを食べたら、相葉くんの家にいくまで、特にやることはありません。


お供えしてあったお菓子と、お正月用に買ってきたお菓子をつまみつつ、トランプやUNO、相葉くん持参のワニワニパニックに明け暮れます。


私も正月くらいは楽をしたいので、大量の食器はすべて食器洗浄機に放り込み、テレビを見ながら、こたつに入って、風間くんが持ってきてくれたお高いカップアイスがほどよく溶けるのを待ちます。


「ちょっと！こっち見んといてっ！」


どうやら、今はババ抜きをしている様子。照史は、まだ手の中で数字を揃えられないようです。


「照史、まだそうやってやってんねやー！」


「ちゃうし！できるし！やらへんだけやし！！」


「きみちゃん何枚？」


「俺9枚」


「俺8まーいっ！俺の方が少ないー！」


「いや、そこ競うゲームじゃないからね？」


どうやらゲームが始まるようです。


私も、アイスがいいかんじに柔らかくなってきたので、スプーンを差し込みました。うん、いい感じ。


「一番枚数多いのおとん？」


「あ、俺か。相葉ちゃんのとればええん？」


「うん、はいっ！」


満面の笑みの相葉くん、次は風間くんから1枚取ります。


「これだー！！……」


「うわ、これ絶対ババ引いたやろ！！」


「ひ、引いてないよ！！」


「嘘やー！まーくんババ！」


「だから違うって！！」


うん、これは、間違いないですね。


「さすが、さいじゃくおーやぁ！」


どうやら、去年のお盆休み、ババ抜き大会をしたら相葉くんが負け倒したらしく、最弱王という不名誉な称号を与えられていたようです。


「だから違うって！！」


そういいながら何回もシャッフルしている相葉くん、本当に分かりやすいですね。


「えー！こわいってぇ、」


「だーいじょうぶだよ、ほら、きみちゃんこれとりな？」


「はぁ？！絶対嫌やわ！！」


子供を交えてのババ抜きで、アラフォーがここまで真剣になるとは。


「これ？これか？」


「いやだからこれだって！」


「いや、それだけはとらへん」


にしても、長い長い。もう、アイスを食べ終わってしまいました。


「もうっ！おとんはやく！！」


せっかちな照史に急かされ、無事、ババ以外を引き当てたようです。


旦那も分かりやすいので、すぐわかります。

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