関西家族物語。2

横山家 紫 橙 ページ2

「あけましておめでとうございまーす。」


「あけましておめでとうございます。その辺、適当に座っといてー。」


元旦、昼頃。旦那の弟たちとその家族が、我が家に来るのが、毎年恒例行事になっています。


「あ、Aちゃん、あけおめ！」


「あれ、なんか家族じゃない人が……」


「えーひどい、俺らもほぼ家族みたいなもんじゃんねぇ、きみちゃん？」


「ちゃうわアホ」


「なんなら、俺と相葉ちゃんのほうが勤と充よりここ来てるからね？」


「風間くんは子供同士が仲いいからともかく、相葉くんがよく来るのは謎でしかないけどね？」


「うっわ、Aちゃんきびしー！！」


若干数、旦那の友達も混じってますが。


風間一家と相葉くんと彼女さん、みんなでうちに来て昼ご飯を食べて、夜は相葉くんの実家で中華パーティー。毎年恒例です。


今日は、二人の姿しか見えませんが。


「今年は、二人だけなん？」


「うん、昨日の夜、紅白見てから、風間の家族と除夜の鐘行って、初詣いって、初日の出みてきたんだぁ。そしたら、みんな熟睡！」


「だとしたら、お二人さん元気すぎない？」


「だって、Aちゃんのご飯、食べたいじゃん、ねぇ風間？」


「うん、Aさんの料理うまいもん。」


「どうぞ、上がっていって？」


「Aちょろすぎやろ。」


「きみちゃんうるさい。」


正月から賑やか。うるさいくらいです。




「あけまして、おめでとーございます！！」


「今年も、よろしくおねがいします！！」


こたつの横では、息子たちが正座していて、元気よく新年の挨拶ができました。


「あけましておめでとう！元気だねー！」


「なぁ、俺と崇裕、どっちのほうが声おっきかった？！」


「え？うーん、照史かなぁ？」


「よっしゃー！俺の勝ちー！」


「なんっでなん？！絶対俺のほうが声おっきかったし！！」


「はぁ？まーくんが言うたんやで、コーヘイなジャッジやで！！」


「どっちでもええわ！うるさいねん二人とも！！」


「きみちゃんがいちばんうるさいわ。」


……近所の人がみんな実家に帰っていることを祈ります。

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