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「大事をとって今日は入院してもいいけど、、どうしようか。家に帰ってもいいのだけど、」
『、、、ありがとうございます。僕家に帰りますね。』
流石に入院は、、お金もかかってしまうし。
そんなに大事にしたくもない。
「一郎くんには伝えておいていいかな、病気のこと。」
『、、、』
「遠因のことについては私からは特に言ったりはしないけど、家に帰ってからまた症状が出て心配かけても嫌だろう?」
僕にとって1番の不安は兄たち。
苦労や心配をかけてはいけない。兄たちはラップバトルもあるし心労を増やしてはいけない。
本当はあの連れていかれた日に僕がなんとしても逃げ出せれば良かったんだけど、
『、、はい、』
「きっと話したら心配するだろうけど言わないわけにはいかないからね。Aくんは大事な弟だし無理矢理笑う君を皆願ってはいないからね。」
僕の心の弱さ故だから僕が非難されるのはいい。自業自得だ。
どれだけ罵られようとそれはいい。
しかし兄を不安にさせるようなことをしてしまった事に後悔を覚える。
「また時間がある時に来てね、、、はぁ、Aくんの問題も早々に解決してあげたいのだけど、、、、君がやっている事は犯罪だ。到底許されるようなことではない。今は私と左馬刻くんにしかバレていなくてもいつかはバレる。」
『はい、僕も、なんとかしたいのですが、』
やめられない。蟻地獄にハマってしまった餌がもう逃げられないように。
もうあとは喰われ、そいつの養分になるだけなのだ。
「これ以上そんなことを続けていると君の身体がもたない。勿論精神もね。」
私が口出ししたところで、と悲しそうに言う。
嗚呼、先生にまでそんな想いをさせるなんて。
なんて穢い人間なんだ。
人を傷つけて、あの男と変わらないじゃないか。
『ごめんなさい、、、』
そして謝ることしかできない。
生きてる価値すら疑う。
人に頼ることさえ許されないのだ、僕は。
こんなこと考えてはいけないと分かっていても頭は勝手に暗くなる。
「早く家に帰るといいよ。一郎くんや二郎くん、三郎くんに抱き締めてもらいなさい。それが1番の薬だよ。」
そうだ。一刻も早く回復することがせめてもの償いかもしれない、と思った。
『はい、すぐに治して見せます。』
ごめんなさい。
もう戻れないけれど心だけは元の場所に、いつか。
いつの日か。
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リエル(プロフ) - ううううううううう…終わってしまった… (2019年4月3日 23時) (レス) id: 4f0744403a (このIDを非表示/違反報告)
春斗(プロフ) - わあああ独歩とのおまけ有難う御座います好きですぅぅ…………兄弟もとい家族愛的な関係とてもよきですた……何かあった時に一郎達とは別に頼れるお兄さんで優しく見守っててくれる感じがとても微笑ましいというかもう尊い……有難う御座いました(*´ω`*) (2019年3月27日 2時) (レス) id: 8cfab7cc4c (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 既に投票済みです……だと……?! (2019年3月1日 16時) (レス) id: 77336b66d1 (このIDを非表示/違反報告)
春斗(プロフ) - それと、もし宜しければ独歩とのおまけもあの…是非……!!!!!!! (2019年3月1日 2時) (レス) id: 8cfab7cc4c (このIDを非表示/違反報告)
春斗(プロフ) - コメント失礼致します。ドシリアスな中にちょいちょい挟まれるギャグがとても良い味を出してて、あの、全体的に好きです。(語彙力)取り敢えず四男君をずっとあれしてた男はウサポリ公にガチでしょっぴかれてたら良いなって思いました。 (2019年3月1日 2時) (レス) id: 8cfab7cc4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:須臾 | 作成日時:2018年12月5日 22時