ありがとう、また明日【うらたぬき】

また明日 32 ページ36

「Aー?顔が死んどるで?」


「どうした、くろちゃん…」


昨日…何時に寝たっけ…。2時…?くろちゃが顔を下から覗いてくる姿が可愛いこと可愛いこと。もう、真ん丸いお目目可愛いなぁ。羨ましいよ、その可愛さを頂戴よ。


「あーあー、A死んだの?ねー、まーしぃ、Aが死んじゃった」


「…え?いやいや、勝手に殺しちゃアカンやろ…」


うらたんとまーしぃにまで心配されちゃったよ。くろちゃんと同じでうらたんたちも顔を覗き込んでくるんですけど。


「あー、…コイツらが浦田と月崎?」


「呼び捨てやめた方が良いよ…相手に敬意を払わなきゃ…」


「じゃ、うらたさんとまーしぃ」


おっふ…、なんか、気持ち悪くなってきたんだけど…。あ、うらたんのブレスレット…、うらたんに渡さなくては…。


「う、うらたん…これ、違う…?ブレスレットさん…」


「え?ブレスレットさん?……あー、これ、俺のだわ。ありがとう」


あー…うらたんのブレスレットで合ってたかぁ。なんで、こんなに古っぽいんだろう…いつから使ってるのかな…?


「ね…うらたん。その、ブレスレットいつから、使ってるの?凄く似合ってる」


「ん…?あ、幼稚園の頃からずっと、かな」


と言っていた。うらたんの顔は残念そうな顔だった。まーしぃは理由が分かったのか背中を撫でてて、くろちゃんもやっぱり、分かったのかうらたんにドンマイ的な目を向けてる。


「あ、Aって、幼稚園どこだったの?」


「え…私?…確か、引っ越し前は日岡幼稚園ってとこで、引っ越し後は赤石保育園だったけど…」


多分、引っ越し前は日岡幼稚園だったはず…。それで引っ越して赤石保育園だよね。日岡は一年位しかいなかったんだよね…。あんまり覚えてないや…。


「もー、Aが引っ越して悲しかったんだからねー!!まぁ、私も引っ越しちゃったんだけどねー」


くろちゃんは終始笑っていたけど、途中で何かを察したのか笑うのをやめてしまった。

なに…?どうした…?何を察したの…私に教えてよ…。それに元気を分けておくれよ…。


「あ、うらたさん、くろにA。時間」


「「「うーい/はーい…」」」


時間か。今日は…一時限目は社会…?地理…??だっけ?、全然覚えてないぃ…。とりあえず、出席確認だけでもちゃんと聞いておこ…。


「はーい、おはようございます。日直さん。号令お願い」


立ち上がって号令を掛ける日直さん。日誌頑張れ…。私も来週日直だ…。


「あ、そうだ、A…!!」

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