月下美人の君.8

刻露清秀.3 ページ45

信 「ちきしょ〜〜ッ！」

政 「これくらいで怯(ひる)んでいるようなら諦めろ。

中華統一と同じように、Aの心を掴むのは

誰にも成し遂げられなかった、まさに偉業と等しい」

A「あの……中華統一と
一緒にしないでほしいなぁ〜」

信 「くぅぅっー！！

俺は諦めねーぞぉ！！

中華を統一する天下の大将軍になって、

そしてAを嫁に貰って！

ガキをいっぱい作るんだっ！！」


政 「俺は中華統一する唯一の王となる。

そして、Aを妃に向かい入れ、

彼女を俺だけのものにする！！」



A「えっーーーと。」汗



私ここにいていいのかな？と言うくらい
二人で熱くなって、叫ぶもんだから、

Aも自分の好き勝手を叫び出した。


A「父上っーーーー！

やっと父上以外の剣と
なるべき場所を見つけましたよー！

父上が目指した世界。
戦争で、人が人を殺さない世界になるまで、

私は負けませんー！！

それまで勝ち続けて見せますー！！！」


そう声高らかに宣言した。
色恋の一つも入っていないことに、左右で聞いていた
二人の男は肩も落とす。
だが、誰よりもこれからを見据えて
瞳を輝かせている彼女には叶わらなかった。


こうして三人もまた『中華統一』への道が
重なり、
新しい幕開けとなっていくのだった。

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刻露清秀：秋の気候が澄んで清く、眺めの秀麗なさま。

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