I never meant to hurt you ページ4
その場所に着くと戦はすでに始まっていた。大雨が体を激しく打ち付ける。Aの歌声に引き寄せられる鳥を使っていち早く胡蝶隊と連絡を取り合う。
精鋭部隊と共に、
輪虎と飛信隊がぶつかってる局面に乱入する。
そこでは、大雨の中
輪虎と信が戦う姿があった。
どちらも全身から血を流して戦っている。
A「…(あの強い輪虎さんが…!)
信っ……!」
馬上から降りて致命傷を負った輪虎だったが、
それでも立ち上がり刃を交える。
急いで二人の元へ馬を走らせると、
輪虎とAの視線が絡み合った。
その刹那、
Aの瞳の中に、信に斬られた輪虎の
紅き血飛沫が広がった…。
⭐⭐
天に寵愛される武将は一握りーー
我が殿のように、A、
君も……誰よりも天に愛された人だ。
もう一度、彼女に逢いたい…。
その顔を見て、ずっと想い続けてきた
僕の気持ちを伝えたい。
そう思うだけで、
どんなに傷ついても、立ち上がることが出来た。
だが、時代はやはり次の戦乱の世へ
移ろうとしている。
今ここで戦い、
受けた刃に、我が身が倒れる最後の刻。
幻でも嬉しかったーー
愛しい君の顔が、見れたから。
この天の計らいの時に、感謝を………。
A「………輪虎さ、ん………?
輪虎……さ…ん、…嫌っ…!輪虎さんッ!!」
地面に倒れ、雨が頬を濡らす曇空が見える。
途切れる意識の中…
Aの泣き叫ぶ声と、
全身の感覚が抜けていく中で
手を握る温かいぬくもりだけが、感じられた。
⭐⭐
早く首を晒せと叫ぶ声が聞こえる。
渕 「A殿!…その者は敵の将軍で…ッ!
…信殿ッ!?」
全てが遠く聞こえる。
信 「………Aっ」
肩に触れる手を振り払った。
A「…ッ…触らないでッ!!」
分かってるよ。
この人は敵なんだって。
分かってる…。
涙を流してすがりつくなんて、
…おかしいって事くらい。
嗚咽を必死に殺すように、
Aは自分の左手を噛んだ。
どんなに血が噴き出しても、
全然痛みを感じない。
目の前で…
また大切な人に、死が迫る…。
その時、繋いだもう片方の手を、
輪虎が弱々しく握り返してきた。
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イルカ - とっても面白いです!!続きが気になって気になって… 更新、楽しみにしてます! (2020年11月11日 16時) (レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - のだめさん» のだめさん。リクエストありがとうございます!明るいシリーズ書きたかったので早速書いてみますね! (2020年11月3日 22時) (レス) id: 32e2b69621 (このIDを非表示/違反報告)
のだめ - このシリーズの4?くらいで、もしも結婚したら的な小話あったじゃないですか、、リクエストで、呉鳳明と項翼、白麗の3人も見てみたいです (2020年11月3日 21時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - 鮮花さん» リクエストありがとうございます!こっちか、外伝の方に書いてみますね! (2020年10月24日 19時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
鮮花 - リクエストで、番外編で昌平君との話を見てみたいです。「甘めで (2020年10月23日 20時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:09kokoa | 作成日時:2020年10月6日 22時