柳緑花紅.7 ページ28
必死で頭を回転させ、この場を上手く逃れる術を探す。胡蝶隊に手を出す事は絶対に許さない。
その時、
Aを庇うように大王である政が前に出た。
政「呂丞相。先ほどから憶測で話す
お前の方が無礼だぞ。
今は彼女の武功を祝う場だ。
余計な詮索は止めろ」
呂不韋 「おやおや…庇い立てするなど珍しい。
大王様もその者の虜になったのですかな…？」
政 「俺とAの間柄は、お前には関係ない。
…口を挟むな」
呂不韋 「呼び捨てとは…
ずいぶんご執着なご様子ですなぁ…」
大王様と丞相が睨み合うという異様な事態に、
配下の者達も肝を冷やした。
Aを見守っている騰は、
何かあれば武力行使をしてでも、彼女を救おうと
いつでも駆け寄れる位置に着く。
政の後ろに庇われている姿が気に入らないのか、
とうとう呂不韋が強気な物言いで迫ってきた。
呂不韋 「王騎の娘・Aよ。
あの廉頗から、戦わずして勝利をもぎ取るなど
よくやった！…だが、それゆえに
死なすには、惜しいのぉ…。
お主が生きているだけで、秦国は廉頗の脅威から
逃れらるのならば、
いつ死ぬか分からぬ戦に出すのは反対じゃ。
Aよ！…我が四柱に入れ！
さすれば、『歌姫』として外交の場を用意しよう。
命がけで戦うようにも、
他国と外交を深めることで
お主が望む、戦無き世を作り出す事が出来よう…」
騰 「っ……！！！」
政 「…ッ！！！くッ……！！」
蒙恬 「…Aが、
先生と同じ呂氏四柱にッ？！」
その誘いに皆ハッ…と息を飲む。
それは呂氏四柱…
つまり呂不韋陣営への誘いだった。
仮に彼が言っている事が実現すれば、Aは女性でしかも最年少・幹部級への登用になる。
大王よりも実質権力と、富と名声が豊かな呂不韋の元に付けば、その輝かしい将来は約束されたようなものだった。
A「……戦無き世……」
その現実は、彼女が追い求める世界そのもの。
本当に血を流さず、自分の力が
秦国の為になるのなら…と
少なからず気持ちが揺れ動く。
彼女が戦う理由も、目指す道も知っている。
血と死臭しかしない自分の覇道を
彼女が共に歩むより、
確かに呂不韋の用意した道の方が
これからのAにふさわしく思えた。
だが、どうしても彼女を…
Aを他の男に渡したくない…と
一人の男としての独占欲が邪魔をする。
政はその心を潰すように
拳を強く握り締めた。
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イルカ - とっても面白いです！！続きが気になって気になって… 更新、楽しみにしてます！ (2020年11月11日 16時) (
レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - のだめさん» のだめさん。リクエストありがとうございます！明るいシリーズ書きたかったので早速書いてみますね！ (2020年11月3日 22時) (レス) id: 32e2b69621 (このIDを非表示/違反報告)
のだめ - このシリーズの４？くらいで、もしも結婚したら的な小話あったじゃないですか、、リクエストで、呉鳳明と項翼、白麗の3人も見てみたいです (2020年11月3日 21時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - 鮮花さん» リクエストありがとうございます！こっちか、外伝の方に書いてみますね！ (2020年10月24日 19時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
鮮花 - リクエストで、番外編で昌平君との話を見てみたいです。「甘めで (2020年10月23日 20時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年10月6日 22時
