李牧からの手紙 ページ48
戦闘時の彼女は、まるで魂のない人形のようで、
命を狩っていく美しい死神の姿にいつか…優しい彼女が消えてしまわないか心配事は絶えなかった。
副長達が同じ悩みを抱える事も素知らぬ顔で、
自分の天幕へと戻るA。
そこには、愛馬と共に贈られたきた李牧からの書簡も共にしたためられていた。
『A、お元気ですか。
山陽での活躍、私の耳にも聞き及んでいますよ。
…さすがですね。
秦国は今頃、戦の勝利に祝っているでしょうが
私は、誰よりも優しい貴女が
自分を犠牲にしていないか…それだけが心配です。
これを貴女に言ったら、怒られてしまうかもしれませんが、女の身で戦場を渡る事は、男達より何倍も大変でしょう。
同盟国として、盟約を結んで一番良かったと思う事は本来であれば、敵同士の貴女とこうして
文を交わすことが出来ることですね。
…例え文字だけでも、Aの存在を
感じることができるというのは、何よりの喜びです。
中々会うことが叶わない身ですが、
何かあればいつでも、私を頼ってください。
貴女を愛しいと想う気持ちは変わらず、
むしろ強くなるばかり。
いつも危険と隣り合わせな貴女を守るってくれる
最後の贈り物をさせて下さい。
きっと、私なんかよりも役に立ってくれるでしょう。
A…どうか、叶うならば
私のそばに、ずっと居てはくれませんか。
これからの中華は激しく荒れる嵐が来ます。
その時に…愛しい貴女に側にいてほしい。
もし少しでも同じ気持ちであれば…』
その文字を読むと、彼の声が聞こえてきそうで
思わず笑ってしまう。
今は同盟国として色んな贈り物をくれた李牧だか、
最後の贈り物はやはり、この一文だろう。
A「…これが最後の贈り物です…か」
秦趙同盟結束から日にちも経ち、秦国は山陽を手に入れた。その意味を李牧が分からないはずもない…という事だろうか。
A「念のため、先生に書簡を……ッ！」
警告しておくべき事の為、文を書こうとするが
その瞬間…頭に激痛が走る。
アダム達が心配するように、作戦の立案、戦闘、呂不韋との交渉ごとで空いた時間は外交の付き添いなど行っていた。確かに目まぐるしい日々に、身体が心労に倒れてもしょうがない。
ふーっと息を吐き、寝台に寝そべる。
頭に浮かぶのは、自分の大切な人たち。
皆、今はどうしているだろうか…。
すると、いつも通りの調子で勝手に天幕に飛び込んできた副長が、声を上げる。
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イルカ - とっても面白いです！！続きが気になって気になって… 更新、楽しみにしてます！ (2020年11月11日 16時) (
レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - のだめさん» のだめさん。リクエストありがとうございます！明るいシリーズ書きたかったので早速書いてみますね！ (2020年11月3日 22時) (レス) id: 32e2b69621 (このIDを非表示/違反報告)
のだめ - このシリーズの４？くらいで、もしも結婚したら的な小話あったじゃないですか、、リクエストで、呉鳳明と項翼、白麗の3人も見てみたいです (2020年11月3日 21時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - 鮮花さん» リクエストありがとうございます！こっちか、外伝の方に書いてみますね！ (2020年10月24日 19時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
鮮花 - リクエストで、番外編で昌平君との話を見てみたいです。「甘めで (2020年10月23日 20時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年10月6日 22時
